2014年9月8日月曜日

新橋文化劇場閉館に寄せて2

追憶の高架下61(何が61かは考えていない)。

良い話も、アレな話も、いろいろ思い入れがありすぎて1記事に収まらなかった新橋文化劇場の思い出の数々。

超能力少女と片脚マシンガールと生脚ガールズと。

実録殺人とリアル殺意(ハネムーン・キラーズ)

2,3列後ろのおっさんが轟音の屁をかますというテロ事件が発生。実話ベースの殺人事件の映画を観ながら現実にも殺意が芽生えるという前代未聞の事態に。


これはお化けか? JRか?(ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館)

薄暗い幽霊屋敷を歩くダニエル・ラドクリフ。時折背後に怪しい影も見える中、明らかに風のしわざではないガタガタという音が! これはポルターガイストが来たぞ! ……と思ったら、頭上を通過する電車の音だった。前述の屁テロ殺意事件といい、ある意味では4DX体験のできる映画館だったなぁ。

消耗品は木曜洋画劇場の香り(エクスペンダブルズ2)

新橋文化で観る『エクスペンダブルズ2』は、吹替でもないのになぜか今は亡き木曜洋画劇場の匂いがした。そしてこのとき、「チャック・ノリスの登場時にたまたま電車が通ったのではない。チャック・ノリスが自らの登場に合わせて電車を呼び寄せたのだ」という新たなチャック・ノリス・ファクトが……

新橋文化とセガールの相性の良さは異常。(沈黙の戦艦&暴走特急)

戦艦や列車をジャックしたはいいが、たまたまそこに最強のコックが居合わせてしまったばかりに悲惨な目に遭うテロリストグループの悲劇を描く、セガールのケイシー・ライバック無双もの。アクションの見せ場はありつつ「あー犯人かわいそー」と気楽に構えていられる両作は、実に新橋文化向きだった。

最強のオヤジと最強の拳二本立て。

新橋文化とエド・ウッドの相性の良さも異常。(プラン9・フロム・アウタースペース&怪物の花嫁)

史上最低の映画監督の作品を観ながらこんなにも充足感を得られたのは史上初です。エド映画のベラ・ルゴシにこんなにも「ありがとう」と言いたくなる感じも史上初です。

『怪物の花嫁』は、『ローズマリーの赤ちゃん』とともにクリスマスイヴに観たという……

グラインドハウス in グラインドハウス(グラインドハウスU.S.A.)

グラインドハウス好きがグラインドハウス風に偽予告編も込みで作ったグラインドハウス映画をジャパニーズグラインドハウスで上映。それだけで最高じゃないか。「The End」の爆笑も忘れられないよ。

「お前らサイコーだぜ! 楽しかったよ!」(カート・ラッセルの声で)

高架下で見つけた、人類の希望と絶望。(コンタクト&トゥモロー・ワールド)

科学と宗教という相容れなかった分野が思いがけず宇宙を通して交わる『コンタクト』。銃撃をピタリと止ませる赤ん坊の泣き声の神聖さと、それでも再び始まる銃撃戦の無慈悲さの『トゥモロー・ワールド』。いや、新橋文化さんのツイートに載ってた、小学生が描いたような「イモマンガ」につられて観に行った甲斐があった!

サヴィーニ先生すみません。(ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版)

バイカー役で出演していたサヴィーニ先生が映った瞬間、私と同じ並びに座っていた男性2名とが同時に「ふふふふふ」と笑ってしまった。『プラネット・テラー』のときもサヴィーニ先生が映った途端クスクス笑いが起きてたし、そういう扱いなんだろうか……?

ポスター「肉をくれ! もっと若い肉を!」
世間一般「チョコをくれ! 義理でもいいからチョコを!」
そう、これを『プラン9』と二本立てで観た日は……

ううらみぃぃぃぃぃぶぅぅぅしぃぃぃぃぃぃ(キル・ビルVol.1)

初めて劇場で観たときには、唐突に日本語の歌だったからか違和感を覚えたエンディングの「恨み節」。新橋で観たら、なぜか違和感が初見時の5%にまで低下しました。

最後のひととき(デス・プルーフ in グラインドハウス&タクシードライバー)

いつも劇場を爆笑の渦に巻き込む「The End」のみならず、そのしばらく前のある時点から場内爆笑続きだった『デス・プルーフ』。退廃的なニューヨークの歓楽街と新橋高架下の空気とが思いがけず交わってしまった『タクシードライバー』。幸せにして切ない終幕のときだった。そして終演後、劇場の外で看板を撮影する観客たちをかき分けるように通っていったタクシー、運転してるのがトラヴィスじゃないかと思ってしまったよ。

実は新橋文化さんがラスト上映を決めあぐねていたころ、密かに「『デス・プルーフ』とかダメかなぁ」と思っていた人。まさか本当に上映してくれるなんて……本当に本当にありがとう新橋文化さん!!

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