2015年9月14日月曜日

マリリン・マンソン@サマーソニック2015

大人な師匠の大人げないステージ。

SUMMER SONIC 2015
2015.8.15.QVCマリンフィールド&幕張メッセ

セットリスト
1. Deep Six
2. Disposable Teens
3. mOBSCENE
4. No Reflection
5. Third Day Of A Seven Day Binge
6. Sweet Dreams
7. Angel With The Scabbed Wings
8. Personal Jesus
9. The Dope Show
10. Rock Is Dead
11. Antichrist Superstar
12. The Beautiful People

一つ言い訳すると、サマーソニック中心で書くかマンソン中心で書くか迷って、結果手をつけるまで1ヵ月かかりました。とはいえ、レポート1ヵ月遅れ癖はマッドマックスコンベンションも同じなので、通用しない言い訳ですが。

4年ぶりに帰ってきたぞ!

昼から参戦組ではあったが、夕方くらいまでほとんどの時間は会場めぐりと写真撮影と飯に費やした。フジだろうとサマソニだろうと、夏フェス会場は毎年何がしか変わっていく。そりゃ絶好のフォトスポットはフジには負けるが、いかんせん4年ぶりだし、会場御礼参りの意味もあるんですよ。こっちが勝手に御礼と思ってるだけだとしても。

ちなみに、今回のフェス飯カオマンガイ(タイ料理。蒸し鶏とスープで炊いたお米)ソーキソバ、いずれも美味しくいただきました。とりわけフェス屋台のタイ料理は、なかなかハズレを引かないので嬉しいところです。

↓マリンステージはステージ準備中。日中は完全にフライパンの底だ。
夜になっても蒸し器の底になる程度の差だったけどね。

観覧車まで! マリンフィールド周辺はいつの間にこんなにお祭りになってたんだ……

ちなみに、今年のアイランドステージはアジアンロックフェスである。

屋内も屋内で、知らないうちに豪華になってるような気が……


ウォームアップを兼ねてのステージ観戦は夕方になってからだった。
9㎜ Pallabelum Bulletは2011年のアタリ・ティーンエイジ・ライオットのゲストアクト以来だが、相変わらずパワフル。あのときは「ウォームアップじゃ生ぬるいからバーニングアップで」とテンション高いステージを披露し、それにうっかり燃えすぎるほど全力でついて行ってしまったものだが、すみませんこの日は体力セーブに努めました。
その結果、さほど飛ぶでもなく叫ぶでもなく、グラグラと謎の踊りを踊っていました。

続いて観たジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョンは、ブルースとプログレロックの融合。グルーヴがありつつ変則的なリズムが心地よかったので、PAの後ろのあたりで寝そべって背中全体でリズムを受け止めるという贅沢をしてしまった。BGVがハマーホラー風味なのも好感高い。

ソニックステージも知らないうちにきらびやかになってる気が……


そしていよいよマウンテン・ステージのトリたるマリリン・マンソン師匠である。マンソンといえば、フェスといえども開演予定時刻を10分くらい過ぎるのは当たり前……だったはずなのだがその師匠が! 時間通りに! セットを! 始めた!!! それも久しぶりに荘厳かつ不吉なクラシック音楽で登場して!! 手には『Eat Me, Drink Me』ツアー以来おなじみになりつつあるナイフ型マイク!! 
……『The Pale Emperor』を聴いたときも「師匠大人になったなぁ」なんて思っていたが、時間を守るという意味でも大人になったのだなぁ。何か感慨の方向性が間違ってるような気もするけど、いつものことだから。

そんな感慨も早々に、「Deep Six」「Disposable Teens」という最初の2曲で急激にボルテージを上げたオーディエンス(前方)は、もうバケツの水被ったように汗だく。続く「mOBSCENE」にハットをかぶって戻ってくるマンソンにもまた狂喜し、「Be! Obscene!」のコーラスを叫んだ。

それにしても、マンソンのボーカルに張りが戻ってシャウトも絶好調ということの感動たるや。何でそんな普通のボーカリストなら当たり前のことで感動しなければならないのかというと、2012年の来日のときのダラけた歌唱法である。不調なわけではなくワザとやっていた疑惑が高いし、一体アレは何だったのか。
ともあれ、ミュージシャンとしての評価は、前回来日時よりはマシになったにちがいない。

開演10分前ぐらいの緊張感が一番心臓に悪いです師匠。

しかし、時間厳守やボーカル手抜きしないといった点で大人になったからといって、ステージ上のアティチュードまでが大人になったわけではないのがマンソンのマンソンたる所以。
マイクスタンドを蹴倒す。その場でスタッフさんが出てきて直したと思ってもまた倒す。また直しに来たら、今度はアンプを蹴倒す。「Third Day Of A Seven Day Binge」では、トゥイギー・ラミレズ(g)のアタマをタンバリンでリズミカルに叩いている。「Sweet Dreams」では懐かしの竹馬でステージをのし歩く。

もはや『Dead To The World』(汚物を含む問題映像と問題エピソードだらけの『Antichrist Superstar』期のライブ映像。VHSのみ)でしか聴けないと思っていた「Angel With The Scabbed Wings」を聴かせ、オールドファンを感極まらせた……かと思いきや、「Personal Jesus」直前にサングラスをかけて登場するも歌うより前にポイしたり、「The Dope Show」でトゥイギーに白い粉をぶっかけたり(2012年にはオーディエンスにぶっかけていたけど)。
ステージにおいてクソガキであることこそ、オーディエンスが求めるマリリン・マンソン像。トゥイギー以外のメンバーのキャラクター立ちもなくなり、ますますライブはマンソンのワンマンという印象が強まった。

ただ、バンドのコンディションとは別に、マンソンのステージは常にもう一つの懸念が付きまとう。「本人がご機嫌麗しいか否か」である。
結論から言うと、こちらの懸念は現実のものとなってしまっていた。いわく「昨日(ソニックマニア)の奴らよりおとなしいぞ!!」。マンソンのことだからうっかりすると「もうやめた」と帰りかねないのではと考えているだけに、演奏中のボルテージ高さとは裏腹に曲間は肝を冷やす思いが。
我々(少なくとも前方ブロック組)できる限り騒ぎ散らしてたのですが……ダメでしたか、師匠?

ウィリアム・ブレイクのレッド・ドラゴンを引用しつつ聖書を燃やした「Antichrist Superstar」、黒人ホーン・セクションとパーカッションを導入した「The Beautiful People」はさすがに最骨頂……だったはずだが、バンドの皆様相手に「こいつらは英語分からないから」とオーディエンスをイジっていたので、まだご不満だった模様。

そんな師匠は最後にステージから飛び降り、最前列の皆様に突進……したはいいが、いざステージに戻ろうとしたら上がれない事件が発生していた。慌てて押し上げるセキュリティさんに「頑張れよ、オレそんなに重くないだろ?」と言うが、「最近は健康に気を使ってジムに通っているらしい」という雑誌記事を疑う程度にはそういう体型ではあった……。
ごめん師匠。師匠はご機嫌よろしくないまま(おそらくやってもいいかなと思っていたアンコールもすっ飛ばして)帰っちゃったけど、こっちはちょっとオモシロイ気分で帰っちゃったんだ。

ところで、「The Beautiful People」でステージに来たパーカッションの人、マンソンにドラムを蹴倒されて「あ゛ーーーっ!!??」って顔になってましたね。頑張ってください。それが師匠です。
ちなみに前任ドラマーは師匠にドラムセットごとマイクスタンド攻撃をくらって骨折しました。

師匠ぉぉぉぉぉーーー!!!


そういえば、今回『The Pale Emperor』からの選曲は2つだけで、映画スコアに入った「Killing Strangers」「Cupid Carries A Gun」もPVまで作られた「Mephistopheles Of Los Angels」もなし。
どうかどうか、師匠が単独来日して下さらないものか。どうかどうか、この辺の曲もやって下さらないものか。そしたら今回のステージの倍はしゃぎ立てますから!!!

↓是非とも生で聴きたい「Mephistopheles Of Los Angels」MV。

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