奇しくも今年、私が好きなアーティストの中で「M」のつく方々が続々新譜をリリースしたおかげで、ランキングをMのイニシャルが埋めることとなりました。ついでに言えば今年の映画ベストだって、1位は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でMADのMだもんな。あ、あと3位が『ムカデ人間3』だからムカデのMってことに……はならないか。
1位 MARILYN MANSON/The Pale Emperor
どうしても師匠びいきなもので、師匠の新譜が出た年にはだいたい1位にしてしまいます。ヘヴィ度合はだいぶおとなしめになったけど、洗練と渋みを増した曲群からは「マンソンも大人になったなぁ」と思わされる。もっとも、サマソニのステージでただちに大人げなさを発揮していたのだけれど。師匠、思ったほど盛り上げられなくてすみませんでした。今度単独で来日して下さったらもっとヒャッハーします。
本作の中で一番の極私的お気に入り、「The Mephistopheles Of Los Angels」
ライブで聴いてみたい……
2位 MOONSPELL/Extinct
最近後退気味だったゴシックロマンス度と、フェルナンドのベルベット・ボイスの割合を大幅に増やしてくれ、なおかつシスターズ・オブ・マーシーっぽさも醸し出してくれるという、私にとっては大変にありがたいアルバム。それにしても知名度のせいかまっっっっったく来日しないというのが本当に残念だよ。M1「Breathe」とかシャウトしたいしM4「Domina」で穏やかになったりしてみたいよ。
デスボイス配分が大目だが、ライブで聴いたら絶対カッコいいしノレるから聴いてみたいですよ
お願いしますからライブ観させてくださいよ……という「Extinct」。
3位 MUSE/Drones
何ともタイムリーなタイトルで、比較的社会的要素が強い。アルバムごとに世界感が膨張していき、前作『The 2nd Law』では遂に新しい次元へ行ってしまったミューズが、本作でもともとの世界の内側へと戻ってきたようにも。
リズム感が『The 2nd Law』に近いリードシングル。
4位 CRADLE OF FILTH/Hammer Of The Witches
ダニ・フィルスが喉の手術の影響で高音ボイスが出なくなって以降、濁声を活かした暴虐シンフォニック路線のクレイドル。正直、前作(Terrorizer誌のワーストに選ばれてしまった……)は曲の個性が埋没していたが、今回は難なくクリア。禍々しい中にも艶っぽさがある、私の大好きなクレイドルですよ。
「Blackest Magick In Practice」のほうがリフが好みなのだが、
MVがカッコいいのでこちらを選んだ「Right Wing Of The Garden Triptych」
5位 STRATOVARIUS/Eternal
よりシンフォニック路線を強め、トルキ脱退以降のストラトヴァリウスのカラーがだんだん決定づいてきた新作。2014年のラウドパークの映像収録のDVDがついているので、俄然限定盤おすすめです。
MVにそこはかとなく漂うダサさもストラトヴァリウスの魅力だと思ってます。
リードトラック「My Eternal Dream」。
次点 LINDEMANN/Skills In Pills
ラムシュタインのティル・リンデマンとヒポクリシー/ペインのピーター・テクレンが組んだ、実質ティルのソロアルバム。いつもはドイツ語で歌っているティルが英語で歌っている。ラムシュタインで英語歌詞やったときには違和感があってあまり好きではなかったが、こちらは独立した作品だからかピーターのプロデュースが上手いのか、違和感なくむしろ好みに。
ただし、言語が変わっても歌詞とMVは相変わらず変態だから心配するな。
悪趣味全開の「Praise Abort」。
ちなみにベストには入れなかったけど、今年は良いライブ盤にも出会えたのが嬉しい。
ROB ZOMBIE/Spookshow International Live
会場のノリがビシビシ伝わりすぎて、聴きながら外歩いてて「うぉーーー」ってレスポンスしたくなってしまうほど。ヨコノリのロックだから踊ったりジャンプしたりもしたくなるから困る。かつてマンソンのバンドで活動していたジョン5(g)とジンジャー・フィッシュ(ds)が、のびのびとソロを披露しているのも微笑ましい。
本作の音源じゃないけど、2014年のテキサスライブより「Superbeast」。
このシアトリカルなショーが『マーダー・ライド・ショー』に通ずるんじゃないだろうか。
SATYRICON/Live At The Opera
オペラハウスで、オペラのコーラスをバックにしたライブ。DVD付属盤なら映像も拝める。サテリコンには斬新な「荘厳さ」が追加されたことで、曲の新しい側面が見えてくる。特に、ロックンロール要素の強かった「The Pentagram Burns」や「K.I.N.G.」には、思いがけない美しさが浮かび上がってくるよ。
オフィシャルに公開されている「Die By My Hand」のステージ。
わずかに男声バックコーラスが聞こえるだけだった原曲以上に荘厳かつ不穏になった。
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