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2018年10月5日金曜日

未体験ゾーンの映画たち2018

暴力! オバケ! サスペンス! トレホ!

未体験ゾーンの映画たち2018
ヒューマントラストシネマ渋谷 2018.1.6~2018.4.6

こっちも今頃アップに至ったという遅刻も遅刻で。もう来年のラインナップどうなるのかと考えなきゃならない時期だというのに。

『チアーズ!』という変化球がやってきた去年に対し、今年はいつものド直球に立ち返った気がします。


屍に会える映画館、ヒュートラ渋谷。
(ラドクリフ出演作つながりで出張中だったそうです)

未体験ゾーンの映画たち2018極私的ベスト10


1位 68キル

主人公の置かれた(そしてこれから置かれる)状況を端的かつ的確に表したオープニングショットから、この映画はスゲェ! と思わせてくれる。
6万8千ドルという、大金と呼ぶには微妙な大金のために血が流れまくるド底辺社会バイオレンス! しかも出てくる女がみんなコワくてぶっ飛んでて可愛い!! アホな男とヤバい女しか出てこないという点では『スガラムルディの魔女』を思い出すけど、舞台がアメリカのトレーラーハウス貧乏になると圧倒的に泥臭いです。


2位 Z Inc. ゼット・インク

Zと銘打ってはいるがゾンビに非ず。むしろゾンビは嫌でもこのウィルスになら感染したい! って人は多いんじゃないでしょうか!? 
主人公が非感染者のサバイバーではなくバリバリの感染者で、「よーーし感染と隔離が続いている間にオレをクビにした上司どもを血祭りにあげてやるぜゴラァァァ!!」という倫理的には間違っているがボンクラ的には大変正しいやる気に溢れているのが新しい。オフィス用品や工具を駆使したファイトといい、ヒロインの音楽趣味といい、不謹慎な爽快感を味わえます。


3位 ザ・ヴォイド

外にはカルト教団、中からはグジョグジョウネウネしたモンスター、挙句の果てには『ヘル・レイザー』か『ヘルケバブ』かというような地獄がオープン。洗練とグシャドロのイイとこどりをした(観てるぶんには)楽しい悪夢です。なんならもっとゴアやモンスターを暗がりじゃないところで見せてほしいくらい。
ところで、エンドクレジットに流れる「バイバイ、オレたち王様に会いに行くよ」で、彼らがあちらの世界で対面したアレは、『ヘルレイザー2』の地獄の果てに出てくるアレではないのだろうかと思ったのですが……


4位 トラジディ・ガールズ

自分たちで人死にに至る事件を起こしておきながら「この悲劇を忘れないために……」とSNSにその事件を投稿する女子高生コンビ。さすがアメコミ界ではネガソニックちゃん(ブリアナ・ヒルデブランド)とストームちゃん(アレクサンドラ・シップ)なだけにキャラの強さが。
SNSの病巣にしっぺ返しを食らわせたいのだろうかと思いきや、実際は彼女らに寄り添いまくった作品。随所に散りばめられたホラー映画ネタ(たまにチープだけど)に爆笑。「高校時代なぞくそくらえ」「でも友情は最強」なラストも、不謹慎なクセに爽快。


5位 アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー! な大騒動になった件

監督・脚本・製作・出演勢は一緒だけど実際はヒャッハー! シリーズではない。しかしバカの規模は負けず劣らず。何故このタイミングで、この人に、このネタをやらせた!? な超絶くだらない最低な(褒めてます)映画パロディも満載。
ちなみにコレ、観たら分かるけどヴァン・ダム映画でもありますよ。特に、ヘリコプターキックを真似して物理的または社会的に失敗したことある人のためのヴァン・ダム映画。
逆に、愛犬家と愛猫家には激怒必至のところも……


6位 アンデッド刑事 野獣捜査線

初っ端からコリィ・テイラーが悪ふざけ感満載で現れ、監督を務めるショーン・クラハンもマスクで顔を隠しつつ悪ノリし、さらに実はクリスシドも出ていて……というスリップノット的贅沢映画。カンフー使いの禅マスターとかマシンガンシスターとかオモシロ悪役キャラが多いのはいいが、ダウン巡査不死身の秘密のくだりでシリアスドラマが長引きテンポが悪くなるのが課題点。
たぶん今回のショーンのベストワークは、「オ・フィ・サーダウーーン♪ ダ・ダ・ダ・ダウーーン♪ ダ・ダ・ダ・ダウーーーーン♪♪」っていうバカっぽくて妙に覚えちゃうエンディングテーマの作曲です。


7位 ミッシング・チャイルド 呪いの十字架

幽霊ものではあるのだが、恐怖よりも喪失感が常につきまとう。主人公の精神科医は息子が3年前に失踪したきりだし、同時並行で語られる民宿設備中の夫婦と友人のエピソードでは妻が死産と、親が子供を失う哀しみが共通している。アイスランドの地の荒涼として寒々しい空気と呼応したホラーだ。
まぁもちろん幽霊は出てくるし、その流れで死ぬのって結構ヤだなとも思わせてくれます。


8位 ドント・イット

話題作に便乗しすぎた結果「よーーーしお前ら中学校の英文法からやり直せ!!」と暴言赤ペン先生が爆誕する邦題になってしまった(原題『A Dark Song』)。しかし中身は、呪術儀式の手間ヒマと面倒くささをていねいに積み重ね、さらにびっくらかしに一切頼らず怪現象を描くとってもマジメなホラーだった。
主人公とともに儀式を進める呪術師が、とても呪術を使えるとは思えない坊主・小太り・モサモサ髭と三拍子そろった下町訛りのおっさんというのもスリリング。このおっさんとの共同生活に、徐々に人ならざる何かが侵入してくる様が地味ながら良い。ただ、遂に開かれた地獄の門戸の果てに現れるアイツは、笑っちゃいかんのだけど笑える一歩手前なのよ……。


9位 (r)adius ラディウス

半径15m以内に入った生命体が皆死んでしまう男と、男の15m以内に入っても死なないし彼と一緒にいる限り死の影響が他に及ばない女。何故こうなったのか知りたくとも、2人とも自分が何者なのかさえ覚えていない! もちろんこの状況には理由があるのだが、重要なのは「何故こうなった?」ではなく「2人は何者で、一体何をしていたのか?」……という不思議なSF。最後の彼の決断は、ちょっと『トータル・リコール』っぽくも感じる。


10位 ザ・ボルト

謎の地下金庫を巡って銀行強盗立て篭もりスリラー……と思いきや。こういう裏切りは大歓迎です。でも考えてみればこの銀行、強盗にとっては災厄を招くし、そこで働いてる人も件の地下に行かなければセーフだし、ある意味万全のセキュリティを誇ると言っていいのでは?
ちなみに、『エイリアン コヴェナント』での扱いがアレだったジェームズ・フランコの巻き返し映画でもあります。




未体験ゾーンの映画たち2018極私的裏ベスト(ワーストに非ず)


1位 ゾンビ・レックス ~殺人ゾンビ恐竜 誕生~

私事ですが、以前「ゾンビ化した恐竜の映画ってないのかね?」という与太話をしてたことがあります。それがホントに存在していたからビックリです。
しかし恐竜がそんなにゾンビゾンビしてねぇ! というか、さぞかしCG丸出しなのだろうと思っていたら、たまーーに着ぐるみやパペットになっている! ゾンビレックスに追われる軍人&学生チームは素人目にも分かるほど素人演技! そして黒幕はぬるま湯で薄めに薄めたイモータン・ジョー風マッド・サイエンティスト!
いや、想像以上にグラインドハウスでした。


2位 アイアン・スクワッド/鋼鉄戦線

こちらもまた想像以上にガチなグラインドハウス映画。クオリティはいろいろアレだけど、フアレスの麻薬王たるトレホさんがロボットに乗って「フアレスもメキシコもオレが制覇したるわ!!」と(自分ちの敷地内で)大暴れしてくれるから憎めない。最後までテンション高く付き合ってくださってありがとうございます、親爺さん。


3位 ダブル/フェイス

「ニコラス・ケイジ、二人の女の罠に嵌る」との惹句だったが、本当は「ニコラス・ケイジ、ほぼほぼ蚊帳の外」。だいたいジーナ・ガーション(『フェイス/オフ』以来のニコさんとのカップル設定)が1人で頑張ってます。
しかし、メンタルに問題ありとはいえ、犯人の動機となる「あんなことするの良い母親じゃない!」の発想力は、全世界の働くお母さんを敵に回すと思うよ。



未体験ゾーンの映画たち2018極私的ベストガイ

1位 ライザ&ヴァイオレット&モニカ(68キル)
2位 トラジディ・ガールズ(トラジディ・ガールズ)
3位 頬に傷のあるバーン・ゴーマン(ウォーキング・ウィズ・エネミー)
4位 デレク・チョー&メラニー・クロス(Z Inc.)
5位 トレホさん(アイアン・スクワッド 鋼鉄戦線)
6位 スリップノットの皆さん(アンデッド刑事 野獣捜査線)
7位 呪術師のおっさん(ドント・イット)
8位 ジョン・バーンサル(スウィート・ヘル)
9位 マ・ドンソクさん(アンダードッグ 二人の男)
10位 ジェームズ・フランコ(ザ・ボルト)


なお、今年の未体験ゾーンにはゆるキャラが誕生してました。
MTV的なMTKパーカを着ているのがミチルダちゃん
縫い目があるのがミタイケンシュタインだそうです。
果たして彼女らは来年も存在しているのか(失礼)……

未体験ゾーンの映画たち2017

「未体験」の概念はそれだけじゃないぞ。

未体験ゾーンの映画たち2017
2017.01.04.~2017.04.01. ヒューマントラストシネマ渋谷

まさか1年越しで投稿することになろうとはなー……自分がサボっただけのこととはいえ。



「もしも来年以降、配給会社さんが思い切ってファンタジー/ファミリー作品を送り込んだとしたら、未体験ゾーンの客層にも変化があるのだろうか? うーん、どう転ぶか分からないけど、そんな試みがあったらまた面白いだろうなぁ。」
……なんて2015年の未体験ゾーン記事で書いていたら、まさかの試みがやってきてたのですよ!!



未体験ゾーンの映画たち2017極私的ベスト10



1位 ダークレイン

正直に言って詐欺案件だ! ポスタービジュアルが詐欺ってのはよくあることだが、惹句も詐欺だし「ラスト何分の衝撃」ってのも詐欺! だがこんなに引っかかって嬉しい詐欺はなかなかないぞ!!
いや、さすが去年の未体験ゾーンの『パラドクス』の監督作。ウィルス感染でもなくゾンビ化でもなく○○○○○と化していく恐怖って……というか恐怖のはずなんだけどコレは笑うわ。ぶっちゃけ劇場で笑い起きたし。世にも奇妙な物語というか、未体験ゾーン改めトワイライトゾーンな映画でした。


2位 グースバンプス モンスターと秘密の書

逃げ出したモンスターを捕まえるというネタが『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』と被ってしまったのがイタいが、主人公サイドが魔法使いでも何でもないし特技もない、むしろダメ人間寄りなのがイイ。
何より本作に愛しさを覚えるのは、モンスターがもとはといえばボンクラの恨み言であり、その恨み言に対するしっぺ返しが脱走騒動であり、恨み言ばかりで引きこもっている場合じゃないぞ! という発破でもある点だ。


3位 チアーズ!

今回の「まさか」がコレ。「ソフトスルー予定だった映画を劇場で観られるチャンス」ではなく、「いつも未体験ゾーンに来ている君たちが未体験であろう映画のリバイバル」という新しい試み。旧作上映といえば2015年の『ネクロマンティック』もあるけど、そういう激ヤバカルト作なら知ってる/興味ある/観たことある人多そうだし。
チアリーダーといえば、未体験ゾーン常連的には「ホラー映画じゃ早めに死ぬヤな女筆頭」だが、ホントにマジメにチアリーディングをやっている女子たちは高い身体能力でもって怪我と隣り合わせで真摯に向き合っているし、ライバルチーム同士認め合っているのだ。ましてやそこに前向きさや明るさを備えていたら最強だ。うーーむちょっと心臓が痛くもなってくるが、我々とは(おそらく)最も程遠い青春観をぐっと引き寄せて見せてくれた『アントマン』のペイトン・リード監督、ありがとう


4位 エンド・オブ・トンネル

「もしも『暗くなるまで待って』のヘップバーンが座頭市だったら」が『ドント・ブリーズ』なら、「もしも『裏窓』のジェームズ・スチュアートがジョニー・ノックスヴィルだったら」ぐらいの無茶と冒険をやってくれるのが本作。というか主人公のホアキンさん
「立てば腕力(脚は不自由だから)、座ればエンジニア、喋る姿はクリストフ・ヴァルツ」な活躍は、少々話の先が読めても応援したくなってしまうし、計画に破綻が生じた際のどエラい辻褄あわせすら痛快ですよ。


5位 フリークス・シティ

この映画が作られたの2015年!? とびっくりするぐらい、2016年11月~2017年2月現在のアメリカの状況、ひいては世界の状況にぴったりな作品。いや、むしろここで描かれているような状況は前々から存在していて、ここ3ヶ月で急速に浮き彫りになったのかも。でもそれにしたって、アイツにキャラクターがそっくりなアイツがいるってのが恐ろしいわ。
ヴァンパイアと人間とゾンビのカースト社会というバカ映画の皮を被っているけど、世界中に見てほしい映画だよ。複線回収だって「えっ、それ複線だったの!? そんでわざわざ今回収すんの!? バカなの!? 天才なの!?」ってぐらい痛快だよ。


6位 FOUND.ファウンド

兄弟の奇妙な絆がかつてないほど残虐なスラッシャーホラーを生んだ。ラストカットの絶望感からは立ち直れない人も出たほど。
しかし何が一番キツいって、クローゼットに生首を隠し持つお兄ちゃんが、部屋に『ニンジャリアン』や『吐きだめの悪魔』やアイアン・メイデンやヴェノムのポスター貼ってて、『ヘル・レイザー』のビデオ持ってて……つまり、本作のようなスラッシャーホラーを好んでみる客層のメンタリティと地続きなこと。
「ホラー好きは猟奇犯罪を誘発する」は短絡的な発想だ。だが、もし一人のホラー好きが人種差別思想に影響を受けていたら? 理解ある友として誰かを溺愛していたら? 誰が/どのように/何がきっかけで怪物になるのかは不明瞭だ。それも余計に後味を悪くしている。


7位 真夜中のパリでヒャッハー!

昨年公開の『世界の果てまでヒャッハー!』の前日譚……というか本当はこっちが先に作られたファウンド・フッテージ・バカ
パリの一区画とブラジルリゾート地という舞台規模の差こそあれど、主人公フランクがあの規格外バカすぎる友達2人と一緒にいる限り十分にドタバタ下ネタコメディ達成。周囲への破壊行為と迷惑行為を省みず、このまま舞台を変えつつヒャッハーシリーズを続けていただきたい。
なお、極私的ベストネタは、リアルマリオカートをやりたいがためだけに張られた伏線です。


8位 GAME WARRIORS エバーモアの戦い

LARP、TRPG好きのみならず、メタル愛好家にも嬉しい映画。あとピーター・ディンクレイジの兄貴ファンにも嬉しい。
「いつまでも中世ファンタジーだのゲームだのに逃げてんじゃない! 大人になれ! 本気で戦え!」と言ってくるのかと思いきや、最終的にはそれでもオレはボンクラで頑張る! ボンクラパワーで戦う! ボンクラパワー最強!! ……という夢溢れる着地点でしたよ。


9位 ホーンテッド・サイト

事故物件の中から事故部屋をもぎとっては繋げもぎとっては繋げ、究極のハイパーお化け屋敷作るぜヒャッハーー!! なノリのつもりで観たら、思いのほかマジメな作りだった。肝心のお化けがモヤって出現してるだけなのはちと地味に映るが、屋敷に囚われている限りひたすら同じ悲劇の瞬間を繰り返さなければならないというのは物悲しいし、その場にいたら気がおかしくなりそう。(ほら、特にアメリカンお化けって、殴ったり突き飛ばしたりするバイオレント物理攻撃型多いじゃないですか)
ちなみに、主演のジェシカ・ロウンズはここでも可愛いけど、同じバウズマン監督作で残念ながら日本未公開&国内盤ソフト未発売の『The Devil's Carnival』のほうがもっと可愛いと思うんですよ……!


10位 PET 檻の中の乙女

一緒に食事やお喋りをするごく普通のお付き合いに憧れる内気な男が、誘拐・監禁という普通じゃない方法で女と距離を縮めたがる……という筋書きは『コレクター』を彷彿させるが、その上誰も彼もが普通じゃなかったら? 
さらに「自分のすべてを与えるのが愛」「愛とは犠牲」といった陳腐なはずの言葉が極限状況で突き詰められた結果、物語は恋愛版『マーターズ』と化す……! 
はい、この映画を引き合いに出すからにはそれなりに激痛な描写も多く、本編開始直前までガサガサガヤガヤしていた後方の大学生ぐらいの青年たちが、次第に「ひー……」と悲鳴を漏らすようになりました。



ついでに。

2017年未体験ゾーンの映画たち裏ベスト(ワーストに非ず)


1位 シーボーグ


凶悪な半機械エイリアン・シーボーグ(あまり動かない。あるいは動けない)が地球に飛来! 彼女に機械化された人間(鉄板をちょっとくっつけました)が人々を襲う! その前に立ち塞がったのは、カンフーができる(どう観てもプロレスっぽいけど)というガチムチ系女子高生たちだった……
驚くべきことに、2017年1月27という日に『ドクター・ストレンジ』でも『マグニフィセント・セブン』でもなく、色々とアレなコレを観てしまったことを、思ったほど後悔していません。


2位 PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星


『猿の惑星』と『ウォーターワールド』と幾多のZ級サメ映画を足しっぱなしにして、格安居酒屋のサワーと同じくらい薄めに薄めたこの映画を楽しめる人が未体験ゾーンには多い。それが証拠に、作品掲示板に貼り出されたお客さんの感想は「安定のアサイラム」「いつものアサイラム」「安心のアサイラムクオリティ」で埋まっていた……


3位 キックボクサー リジェネレーション


ヴァン・ダムさんが乗った自転車なら必死のランニングで追いかけられるかもしれないし、ヴァン・ダムさんがドカンと座り込んだ台車なら引っ張れるかもしれない! ような気がする。気がするだけ。でもヴァン・ダムさんにおどけてお見送りはされたい。
しかし何に一番驚いたかって、エンドクレジットで流れたあのダンスだよ。オリジナルの『キックボクサー』でヴァン・ダムさんがやったケツアピールダンスと、それを完コピした本作の弟子(アラン・ムウシー)のダンスが一緒に映されるんだよ。
そして今年の未体験ゾーン最大の迷言「ココナツ!」

なお次点は、人間狩りと感染症と物体Xと悪魔崇拝もろもろを盛れるだけ盛って、具体的な材料・調味料を明らかにしないまま「まぁ食え!」と豪快にお盆にのせてきたようなチリ産映画『ダウンヘル』です。


未体験ゾーンの映画たち2017ベストガイ


1位 大家さん(アブノーマル・ウォッチャー)
2位 ホアキンさん(エンド・オブ・トンネル)
3位 ダグレイ・スコット(ゾンビ・サファリパーク)
4位 デヴィッド・プラウズ(I AM YOUR FATHER アイ・アム・ユア・ファーザー)
5位 R.L.スタイン(ジャック・ブラック)(グースバンプス モンスターと秘密の書)
6位 デロリアンでタイムマシンを作った夫婦(バック・イン・タイム)
7位 ヴァン・ダムさん(キックボクサー リジェネレーション)
8位 ピーター・ディンクレイジ兄貴(GAME WARRIORS エバーモアの戦い)
9位 プール更衣室で豪快なステイサムジャンプをキメた女の子の幽霊(屍憶 SHIOKU)
10位 ジェベダイア・クローンさん(ホーンテッド・サイト)

役名と役者名が混在しております。


最後に自慢させてください。
未体験ゾーンに通いつめて4年目、ようやく達成しちまいました。
観賞30本で海外版チラシ30枚。

2016年3月22日火曜日

未体験ゾーンの映画たち2016

パーティーで……いや劇場で会おうぜ!!

未体験ゾーンの映画たち2016
2016.1.2.~2016.3.11. ヒューマントラストシネマ渋谷

未体験ゾーンの映画たち2014の記事はこちら
未体験ゾーンの映画たち2015の記事はこちら


「この冬はヒュートラ渋谷があったかいんだから~!」にダマされるな!
ヒュートラ渋谷は熱湯風呂だ!!
35回ドボンしたけどな!!

本数が増えると、その分玉石混交(石多め)になっていくんじゃないか……とか思ってたけどそんなことはなかったぜ! というか今年は50本もありながら、玉のほうが多いんじゃないのか? ああ、こんなにイイ映画たちがDVDスルーの憂き目に遭いかけていたのか!! なんてキビしいんだろうな映画配給の世界って……。
そういう意味では、2014年から何度も言っている通りつくづくこの企画に感謝だが、各配給会社が未体験ゾーン参加作品を選ぶ際、ファンタジーやファミリー向けは社内で落選しているらしいとのこと(未体験ゾーンパンフレット収録・配給会社座談会より)。そういえば、劇場ロビーで未体験ゾーンのポスターを見た女子高生たちが「怖そうな映画ばっかりなんでしょ?」と喋っていた。度胸があれば「そんなことねぇよ!」って言いたいけど、実際「各国から集結したあらゆるジャンルの映画」といっても、大半を占めるのはホラーとかサスペンスとか血みどろアクションだから、彼女らもそんなに間違っちゃいなかったんだよなぁ。
もしも来年以降、配給会社さんが思い切ってファンタジー/ファミリー作品を送り込んだとしたら、未体験ゾーンの客層にも変化があるのだろうか? うーん、どう転ぶか分からないけど、そんな試みがあったらまた面白いだろうなぁ。


未体験ゾーンの映画たち2016ベスト


1位 デス・ノート(原題:Let Us Prey/ソフト化後題:デッド・ノート)

「どうせ便乗タイトルだしなぁ」と邦題で軽くみられがちなのだが、邦題のことはいったん忘れて観てみてくれ! 作品自体は小粒でも、オカルトベースでありながら怒涛のゴアゴア祭りへと突入する傑作ホラーなんだ! そして、リーアム・カニンガム演じる謎の男の最後のセリフは、2016年最高クラスの殺し文句にして口説き文句なんだ!!


2位 アメリカン・バーガー

2016年の劇場観賞映画第1号の栄誉を持って行ってしまったバカ。徹頭徹尾バカ。タイトルを『アメリカン・バーカー』と書き間違えても間違いじゃないくらいバカ。正体はアメリカ人バカの皮を被ったスウェーデンのバカバカなアメリカ人&バカなアメリカ映画の概念は国境を越えてほぼ共通なのだ。


3位 バンド・コールド・デス

時代を先取りしすぎた音楽ゆえに、35年も寝かされてきた黒人パンクバンド・デスのドキュメンタリー。あまりにも映画的な現実の物語は、ときに残酷だがときに劇的。初めて聴いた人間誰もが涙ぐんだり鳥肌立ったりしたというデスの音楽は、本当に衝撃的なカッコよさだった。


4位 私はゴースト

古典的でもあり斬新でもあるホラー。実験的映像かと思っていたら、ラスト15分に心底ゾッとさせられ、エンドクレジットの頃には切なささえ覚える。


5位 グッドナイト・マミー

今年の未体験ゾーンの厭な映画No.1。ママが今までのママじゃないという不安、彼女は本物のママなのかと疑う双子が取る最悪の手段、そしてサイズがでかい大量のG……と厭な描写がこれでもかと続く。しかし何より厭なのは、思いの違いから生まれた深い断絶。これがまた厭な結末を招くのである……。よくアカデミー外国語映画賞にノミネートされたなぁ。


6位 ブレイキング・ゴッド

『ブレイキング・バッド』に引っかけたいがあまり血迷った邦題で、共同監督/脚本/主演が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のオーガニック・メカニックことアンガス・サンプソンとあっては一体どんな珍作かと思われるが、これが実にしっかりした構成。素人が麻薬ビジネスに手をだして窮地に追い込まれる映画は多々あれど、本作は飲み込んだ密輸ヘロインが出てきたら逮捕されるからひたすらウ○コを我慢するというド底辺のピンチ。警察も容疑者がウ○コするのをひたすら待つという文字通りヨゴレ仕事。しかもこれがおおむね実話に基づいてるんだからある意味ヤな話。その中でももっともヤな描写をやってくれたのはもちろんアンガス。さすがオーストラリア代表変態怪優


7位 ライアー・ハウス

ほぼトレーラーハウス内だけで、大金の行方を巡って腹の探り合い&騙し合い&殺し合いがくり広げられ、金を巡る争いだけでこんなに血肉が……というほどの死体処理ゴアゴア祭りへ。といっても、ディスポーザーが詰まってブツブツ言ったり、ミキサーが壊れてアワアワしたり、煙が立ち込めすぎてゲホゲホしたりと、状況のグロさに反してカラリと能天気な笑いあり。数少ないキャラクターたちが皆ド田舎のヤな奴オーラを醸し出しているのがイイが、特にジーナ・ガーションは齢を経てまたイイ顔になっていた。目元のくすみもほうれい線も、もともと低かったのがさらにしわがれた声も、一般的に女優にはマイナス評価になるところがすべて彼女の強みだったよ。


8位 SPY TIME

冴えない男と思っていた父親は実はベテランスパイで、冴えない息子も実は父親にスーパー殺人技を仕込まれたスパイ予備軍だった!? スペイン産・コミック原作の007パロディ系スパイ映画。スパイの世代交代であり、親子の物語であり、若者の成長劇でもあり……だからある意味『キングスマン』でもある。確かに007やキングスマンに比べたら遥かに低予算だけど、敵は切手に投資失敗して資金難&味方も予算削減で部門縮小という背景アイディアの妙でカバー。コメディではあるけれど、バイオレンスには意外と容赦がないし、決して甘くはない結果も突き付けてくるし、エロはなくても大人の映画だ。


9位 クリミナル・ミッション

『ウォッチメン』のロールシャッハあるいは2代目フレディことジャッキー・アール・ヘイリーの監督デビュー作。「大物から小物まで裏社会の野郎どもが右往左往(ブロマンス要素は皆無で単にムサいだけ)」という初期ガイ・リッチーテイストが個人的に大変好み。ついでに、大どんでん返しというほどではないにしろ、話のツイストも仕込んであったのでお得感も味わえた。もっと言えば、ジャッキーさんの最大チャームポイントたる頭蓋骨後ろの出っ張りを長々と拝めたのもお得だった(たぶん私だけだろうが)。


10位 死の恋人ニーナ

セックスするたびにマットレスやシーツを血みどろにしながら現れる、彼氏の死んだ元カノ・ニーナ。これといって深い恨みも未練もないので、どうすれば成仏できるものなのかニーナ本人にも分からず、ただ現れては人のセックスを邪魔してグダグダ喋るだけ。そしてニーナが現れるたびに血みどろ寝具の後始末をしなければならない恋人たち。おかしさと哀しさと迷惑を振りまく、乾いた笑いのゴーストストーリーだった。



11位 ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ

2回も「ゾンビ」が入る「頭痛が痛い」系の邦題になってしまい、また低予算ゾンビ映画にありがちな「ダレやすい人間ドラマパート」という難点も継承してしまっているが、ゾンビが燃料になったり主人公の妹がゾンビ操作能力を手に入れたりという新しいヒャッハー感がテンションを上げてくれる。そして、「世紀末の世界を肩パット武装と改造車でひた走りたい」という願望は普遍なのだな……。


12位 グランド・ジョー

近年のニコラス・ケイジ出演作の中ではトップクラスの傑作が、危うくDVDスルーになりかけていたとは。本作のニコさんは、ド田舎で地味な重労働する人生どんづまり男だが、やさぐれ感の中からどうしても人の好さが滲み出るところがイイ味を出している。その人の好さが悲劇にもなり希望にもなる。ただ、車で流してる音楽がEyes Of Noctum=息子さんウェス・ケイジのブラックメタルバンドであるあたり、ぬかりないなと思ったよ。


13位 タイム・トゥ・ラン

すみません。デ・ニーロの名前が2番手に出ていたあたりで、去年の『コードネーム:プリンス』(ブルース・ウィリスの名前が2番手に出ていた)に該当する午後ロー系アクションだと思ってました。でも実際はイイ話でもある骨太なサスペンスでした(ちょっと出来すぎな展開もあるけど)。デ・ニーロもここ最近のB級映画に見られる省エネ演技じゃなかったし(失礼)。


14位 ラバランチュラ 全員出勤!

映画が始まって早々に火山が噴火して巨大タランチュラが現れ、サクサクとパニックが起きていくという実にテンポのいい展開。この脅威にポンコツたちが一丸となって、しかも自分たちの得意分野で立ち向かうのもベタながら気持ちがいい。これで『ポリス・アカデミー』のネタを知っていたらもっと笑えたのかもなぁとも思うが、今B級(というかZ級)モンスターパニックで有名人となったあの人がまさかのカメオ出演という特化すぎるサービスにありつけたからまぁいいか。


15位 スタング

主人公カップルの人間ドラマがわりとどうでもいいのが難点だが、そこは口が悪くて酒好きだけど若者に優しいランス・ヘンリクセン市長、挙動不審のマザコン男クリフトン・コリンズ・Jr.、そして人体を食い破って出てくる巨大殺人バチがいろいろとやってくれましたよ! ランキングからは漏れたけど『シャークトパスvs狼鯨』もあったし、今年の未体験ゾーンはモンスターパニックがアツかった。


16位 ビッグマッチ

『新しき世界』『観相師』と権謀術数を巡らす世界に生きるところばかり観てきたイ・ジョンジェが、人質にとられた兄貴を助けるため、仕掛けられたデスゲームにひたすら拳の直球勝負で挑む総合格闘家に。ゲーム首謀者に指示されて、やけっぱちでパラパラ踊りながらクリスマスソングをがなり立てるジョンジェは見どころ。なお、ゲーム首謀者を演じるシン・ハギュンのハイテンション演技は、だんだん長谷川博己に見えてくるよ。


17位 血まみれスケバンチェーンソー

今年初めて未体験ゾーンに邦画が殴り込みをかけた。そんな記念すべき年の記念すべき作品は、意外と人望の厚いスケバン女子高生が改造チェーンソーで改造死体と化した同級生たちと戦うという実に潔いバカだった! 技術部さんにマシンガンや伸縮機能までつけてもらったチェーンソーは、デザインにリアリティはないがぶん回してみたくなること請け合い。


18位 ザ・ラスト・ウォーリアー

チラシでは『300』や『ヘラクレス』と並べられていたが、どちらかというと『アポカリプト』の系統な土着性と血を感じさせる映画。とにかく、呪われた土地に一人棲む伝説の戦士がスゴい!! たった1人で、巨大しゃもじのような武器を駆使して敵を何人も倒す最強ぶりもさることながら、一目見ただけで「こいつには勝てねぇ……!」と思わせてくれる顔面力の凄まじさたるや!! しかも食人族でもあるなんて……なんてハイスペックなんだぁぁぁぁぁ!!!


19位 ザ・ハロウ

アイルランドの神聖な森に潜むクリーチャー=ハロウが、赤ん坊を狙って夫婦を襲撃する。「夜の森は怖い」という根源的恐怖を思い出させてくれる一本である。ほとんど暗闇で、何かがいてもこれだけ木々が生い茂っていては分からないものな。暗闇だからといって、ハロウを出し惜しみしすぎず襲撃するところはきっちり見せるのがエラい。


20位 口裂け女 in L.A.

口裂け女、こっくりさんなど、日本の都市伝説にまつわる事件がロサンゼルスで勃発。一体なぜ……という謎は置いといて、カフェのメイドが廃墟でこっくりさんしてたり、陰陽師と悪魔神父が路地裏ストリートファイターしたり、真昼間にヤシの木に藁人形打ち込んだりと、トンデモジャパン炸裂! タイトルでインパクトを与えたロサンゼルスの口裂け女の影が薄くなろうとは……。
ちなみに、ヒュートラ渋谷で本作を観てシアターから出てきたとき、カンシチ・ヒロさん(作中で妹ウメコを溺愛する藁人形使いのケンさんを演じた人)ご本人がいらっしゃったことが、一番のホラー体験でした。


…で、申し訳ないけどこちらのランキングも。


未体験ゾーンの映画たち2016ワースト


1位 カリキュレーター


管理社会の惑星で、死の沼地に追放された囚人たちが生存のために進み続けるディストピアSF。だからといって監督を『ベクマンベトフの再来』なんて言うのはまだまだ早いぞ! 真の中2魂を持っているなら、もっとキャラクターの面白さやキメ画に力を入れなさい! しかも各キャラクターともスタンスがブレブレだし。せっかくヴィニー・ジョーンズがいても、悪役としての面白さも活かしきれていないし、セリフもすべてロシア語に吹替えられていていつもの声&訛りじゃないのも残念。褒められた点といえば……メインの女優さんがキレイなのと、シガー・ロスの曲が入ってることくらい?


2位 処刑女

みんなが戸締りしまくっている間に地下室に潜り込んだり、いつの間にか屋根に上ったり、一撃で手や首を切断できる技術&パワーがあり、さらに狭いところを移動する柔軟性にも長けているという、大変高いポテンシャルを持つ処刑女=ブラッド・ウィドウちゃん。しかし彼女をジェイソンやマイケルと並べるには、まだまだ個性と変態性と一貫性が足りなさすぎる。特に、風紀の乱れの温床だったパーティーのバカ者(若者)たちをほぼスルーしてしまったのはイタいぞ。


3位 フルリベンジ

オリジナルの南米映画『Hidden In The Woods』は、近親相姦、売春、殺人……とあらゆるタブーを描いた、救いの余地のない映画だった。それに惚れ込んだマイケル・ビーンがリメイク権を獲得したのだが……なぜタブーのうち「奇形の子ども」と「カニバリズム」を省いた。それだけが原因ではないのだけれども、ヤバさと救いのなさがマイルドになってしまった感がある。たぶん、マイケルは自らが演じるしぶとい鬼畜親父に力を注いだんじゃなかろうか……?


4位 INFINI

逃げ場のない辺境の惑星で謎の寄生生命体に脅かされるクルーたち。生命体は少量の血液からでも媒介・増殖し、寄生された人間は凶暴化する。『遊星からの物体X』×『28日後……』なSFホラーにもなり得たのに、閉塞感も恐怖もサスペンスも中途半端になってしまった。


5位 マーターズ(リメイク版)

難しいところなのだが、リメイクにあたっての改変は完全に否定できるもんじゃないし、むしろ面白いと思っている。むしろオリジナルでやったことをそのままなぞるだけでは意味がないと思うし、オリジナル版で感じた閉塞感とイライラは昇華(消化?)できるだろう。ただ、その発想が「ああアメリカだなぁ」とも思えてしまうし、やはりあの胸糞悪さを経てからの昇天こそ『マーターズ』だろう……という思いも強いのである。


そしておまけ。


ベスト名言賞


1位 「人々は私のせいにしたがるが、私はただの目撃者だ。私が見たものには天使も涙する。私を否定してもいいが、君の目に宿る炎は私だ。君にこの地上の腐った、邪悪な魂をすべて与えよう。君は復讐し、私は彼らの魂を燃やす。正直に言えば、君なしでは凍えそうだ」(デス・ノート)

2位 「まるで映画だ。俺たちは偶然の主人公。監督はデイヴィッド。天国から演出中だ」(バンド・コールド・デス)



ベスト音楽賞


『バンド・コールド・デス』
2013年に本作のプレミア上映会場で行われた"Keep On Knocking"ライブを貼っておきます。
CD『For The Whole World To See』はホントにカッコいいぞ。





ベストビジュアル賞


1位 伝説の戦士(ローレンス・マコアレ)(ザ・ラスト・ウォーリアー)
百聞は一見に如かずということで、お顔を貼っておきます。勝てる気しますか?


2位 鋸村ギーコ(内田理央)
下駄履き&ふんどし着用の女子高生が改造チェーンソーをぶん回した時点で、勝利は約束されているのだ。

3位 最強のタクシー運転手(ジェス・リアウディン)
中の人は元総合格闘家。料金踏み倒す奴は地獄の果てまで追い詰めるぜ!! 的なセガール系かと思ったら、実はセカイ系だったという……。

次点 裸エプロンのおっさん(bella ベラ)
動いて喋ってタバコ吸ってコカインキメる人形のベラ(=主人公)ではない。映画自身が「どっかのクマのパクリ」と言っちゃってる通り、可愛さと毒舌とのギャップはクマの二番煎じだが、変態性において勝るのはさすがラムシュタイン輩出国ドイツ。その代表が、どこに需要があるのか分からないおっさんの裸エプロンショットだった……


ベストタイトルバック賞

ライアー・ハウス
真っ赤なマニキュアを塗るところに始まり、ベーコンを切ったり焼いたり、ミキサーでジュースを作ったりと朝食を作る過程をグロテスクなほどのどアップで撮る。これらのショットがその後起きることを示唆しているのが、ベタながら上手い。


ベスト映画ドリンク

オーストラリアンビール(ブレイキング・ゴッド)
警察も一般人もみんながグビグビ飲んでるから、観賞後思わずビクトリアビター買っちゃったよ。



ベストびっくり映画

スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町
あの一番最初の車の「バン!!!」な。1回あれやったら、何度も連発しなくとも、後ろ向いて立ってる人がいるだけで怖くなるから上手い。それから「人の顔をデフォルメすると怖い」っていう怖さの原点に立ち返ってるところもエラい。ただ、短編ホラーを長編に引き伸ばしたとき特有の、始まりと終わりのダラダラ展開はどうしても出ちゃってたね。


秀作から午後ロー的なものまで、今年もいろいろ出会えて楽しかったよ。また来年も会いたいよ。
そしていつもありがとう、チェアマン西澤さん&配給会社さんたち&ヒュートラ渋谷さん!!!

2015年2月27日金曜日

未体験ゾーンの映画たち2015

いい映画は劇場で観たい。そうでなくても劇場で観たい。

未体験ゾーンの映画の映画たち2015
ヒューマントラストシネマ渋谷 2015.1.3.~2015.2.27.

「この言葉 グッときたなら 劇場へ」と言わんばかりのアツい文言。
ゾーンは昨年末から燃えていた。

壁一面のポスターと感想。絶景だ!


上映経費を抑えながらパッケージ(ソフト)の宣伝にもなる特集上映……という仕組みで成り立っているのが「未体験ゾーンの映画たち」。もちろんその仕組みを後押ししているのは、いい映画は劇場でかけたいという仕掛け人さんの思い。(映画秘宝2015年2月号/西澤彰弘さんインタビュー参照)
付け加えるなら、いい映画……といえるかどうかっていう映画も、できる限り劇場でかけてほしい。そりゃDVDレンタルや映画チャンネルで観たほうが安上がりだが、自宅TVで観ていながら「劇場で観たかったなー……」と思うこと数知れず。B級映画特有のゆるーい空気が劇場に充満する感じ、個人的には大好きなもので。
(この他、未体験ゾーンについての思うところは去年こちらに書きました。映画を劇場で上映するって本当に難しいんだなぁ)

49本中27本制覇! でも24本制覇のDVDプレゼントには間に合わず。

せっかくなので、去年に倣って極私的ベストを作りつつ、今年は観てきた未体験ゾーン作品にちょっとずつ触れていきたい。もはやDVDしか観る媒体がなくとも、発掘してほしい映画もあるんです。

未体験ゾーン2015極私的ベスト10


1位 ホラー・シネマ・パラダイス
私の大好きな極彩色スラッシャーホラーというジャンルで魅せつつ、「ホラー映画を楽しむ人とは? 面白ければ本物の殺人ネタも好きなのか?」という一部の人間にとっては深刻な誤解にも踏み込んできた。登場人物がどいつもこいつもキャラが立ってる中、MVPは「けっこうな変態なぐらいが面白い系イケメン」ノア・セガンで。

2位 絶叫のオペラ座へようこそ
これまた大好物の極彩色スラッシャーホラー。しかもミュージカル! しかも怪人がカブキマスクでギターかき鳴らしながら「イ゛ェェアァァァァァァァ」ってハイトーンシャウトをキメる! 何を言ってるか分からんでしょうがホントにそんな絵面です。『ベイマックス』しかり、怪人を目指すならカブキマスクの時代到来だ!! たぶん!!

3位 マシンガン・ツアー ~リトアニア強奪避航~
イケメンを使いません! 美女も使いません! スクリーンにカッコいいものは何一つ映しません! チンケな強盗に始まりヨーロッパ東西ギャング対決になだれ込むドタバタを、ムサい顔面(しかもバカ)ばかりが牽引する!!

4位 ブルー・リベンジ
去年の『MUD』と同様、極私的好みではベスト3に入らなかったが、映画として優れているのはこちら! 枠。派手な演出も余計な会話/シーンも使わず、話し合いが通じなさそうなヒルビリーの怖さ、終わりが見えない復讐の地獄絵図をなぜかスッキリした後味で描く低予算傑作。主人公に味方してくれるガンマニア&デスメタルファンのベンがイイキャラしてます。真っ当な奴じゃないけど。

5位 余命90分の男
主演のロビン・ウィリアムズの死と重ね合わせずにはいられない。彼の最期が決して幸せではなかったことを思うと、ハッピーエンドがなおさら哀しい。せめてこういう形で去っていったのなら、まだ救いがあったのに。

6位 ブレスト要塞大攻防戦
ソビエト万歳感は拭いきれないが、水もなく武器も限られていく籠城戦の消耗と疲弊はビシビシと伝わってくる。戦争というものについて何よりも多く物語るのは、出口あるいは水を求めた人々の屍の山。

7位 オキュラス/怨霊鏡
鏡の幽霊なんて何か不気味な人が映ってくるだけでしょ……と思いきや、お父さんを操り家族を追い込み、現実を曖昧にし、過去と現在を巧みに入り乱れさせる! さすがアメリカは幽霊もアグレッシブだな! 呪われた鏡に挑むお姉ちゃん(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のネビュラの中の人)の、『ホーム・アローン』と『SAW』を足して2で割ったような仕掛けもスゴい。

8位 オール・チアリーダーズ・ダイ
タイトルそのまま、チアリーダーはみんな死にます。でも何だかんだで蘇ります。でもそれはそれで面倒なことになります。女同士の三角関係がストーリー上どうでもよさそうなところが好きです。

9位 AFFLICTED
どんどん人間じゃなくなっていく友人デレクを撮るPOV(途中からそのデレクがカメラの持ち手になる)。そんなに目新しくもないはずの手法だし、ハッピーエンドは見えそうにない流れなのに、超人的な身体能力を手に入れたデレクの目線で建物からの大ジャンプをキメたり警官をぶっ飛ばしたりと、妙にヒャッハーな気分になれる不思議な映画。

10位 FEAR X
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の初期作。赤の使い方がダリオ・アルジェントチックかつ『オンリー・ゴッド』への布石のよう。ジョン・タトゥーロの顔面がイイ味出してる。音楽は実はブライアン・イーノ。もっと認知されてほしい一本。


ザ・B級アクション賞

コードネーム:プリンス(こういうところに年1回は顔出すブルース・ウィリスとジョン・キューザック)
タイムリミット‐72(ルーク・ゴスがもっと仕事に恵まれますようにとお布施)
エージェント:コール(ゲイリー・ダニエルズも仕事に恵まれますようにとお布施)

ザ・B級SF賞

アノマリー(ヘムズワース家の長男見ーつけた)
タイム・チェイサー(お久しぶりですハーレイ君。いいバイプレイヤーになってください)

今年のゾンビ枠賞

ザ・デッド:インディア(もしもこの国でゾンビハザードが起きたらシリーズとしてまた作ってほしい)
人造人間13号(人造人間と謳ってますが生態はゾンビですよね?)

めちゃくちゃ貴重で賞

ネクロマンティック(粗い撮影とチープな音楽、合間に入れたガチの畜殺映像、それに死体愛好というアブない題材が奇跡的に映画の「味」となった一本。劇場で観られる機会はまずなさそう)

このままシリーズ化してほしいで賞

シャークトパスvsプテラクーダ(ゆくゆくは掛け合わせ怪獣三つ巴、四つ巴のバトルを……)

エンドロールがカッコいいで賞

悪魔の存在を証明した男(IMKなるアーティストの "Something Real" という曲が使われてるのは分かったけど、残念ながらオフィシャルな情報があまりない)

着メロを変えたい衝動にかられた賞

13の選択(あのメロディよく聞くけど "Enter Of The Gladiators" って曲名なんだ。初めて知ったよ)

ジャンル間違えてました賞

ロスト・フロア(ごめん、オカルト系だと思ってたらマジメなサスペンスだったよ)

異色の字幕で賞

Facebookで大逆転(字幕で「www」「キタコレ」って初のケースだよ)

ジェイソンかマイケルに来てほしいで賞

ファイナル・デッド・クルーズ(ハメ外したバカな若者が次々死ぬのはスラッシャーホラーと同じだが、本作の場合は仲間割れによる自滅。大型殺人鬼不在だと、人間こうも面倒臭いんだなぁ)


頑張れ! ルーク・ゴス

デス・クルー(傭兵アクションかと思ったらアレ? そっちの話ですか!? な一本。トレホもいるよ)
タイムリミット‐72(72時間の逃走劇と思ったらアレ? 世直し道中ですか!? な一本。RZAもいるよ)

動ける・イケメン・ハゲがカッコいいと三拍子そろっているのに、なぜかジェイソン・ステイサムクラスに届かない不遇の男、ルーク・ゴス。大作出演時には特殊メイクで顔が分からないというネックもあり。いつか素顔で表舞台で活躍してくれることを祈る!

スゴいぜ韓国

ハイヒールの男(長身のムキムキハンサムがヤクザ相手に女装で無双アクション!)
その怪物(頭のネジが外れた殺人鬼vs頭のネジが外れた露天商姉さん。10歳児が一番マトモだ)

この2作品に共通しているのは、バイオレンスの合間に場違いなほどの笑いをぶっこんでくるという思い切りの良さです。


もしかすると出会えなかったかもしれない映画の数々を、スクリーンで体験させてくれた未体験ゾーン。また来年も、そしてその先も、できる限りたくさんの映画に出会える機会をいただけると嬉しいです。仕掛け人の西澤さん、そしてヒューマントラストシネマ渋谷さん、今年もありがとうございました。

2015年1月1日木曜日

新宿ミラノ座閉館に寄せて

映画バカ人格の生みの親。

2014.12.31.新宿ミラノ座、閉館。


私の初劇場観賞洋画は『ネバーエンディングストーリー3』('94)だった。
しかし、本格的に映画にのめりこむには、1998年初頭にミラノ座で『フィフス・エレメント』(公開は1997年末)を観るまで待たねばならなかった。
そこから『メン・イン・ブラック』でまだ宇宙人を取り締まる側だったトミー・リー・ジョーンズと出会い、『フェイス/オフ』でニコラス・ケイジを人生初スクリーンヒーローとし(裏地の赤いロングコートと横跳び二丁拳銃はいまだに憧れ)、『ジャッキー・ブラウン』でタランティーノとタラが愛したブラックミュージックを教えられた。
このミラノ座4連続コンボによって、私は10年以上にわたり映画バカ街道を邁進することになったのだった。

余談だが、いまだに覚えているのが『フェイス/オフ』公開時に場内にフェイス/オフフレームが使えるプリクラが置いてあったこと。もともとプリクラなぞ自主的に撮ることもないし「何だあれ?」とちょっと気になっただけだったが、観終わるころにはいろいろな意味ですっかりハマっていたので、完全にプリクラ撮りたいモードになっていた。が、すでにその日の最終上映だったため、プリクラはもう営業停止していたのだった。
その次にミラノ座に来るころにはプリクラは撤去されていたので、もはや撮影の機会は永久に失われた。どうでもいいことだが、これは本当にいまだ引きずる後悔である。一体どんなフレームがあったのだろうか……。

↓人生を(どちらかというとボンクラなほうに)変えた作品たち。↓

4つのスクリーンを抱え、巨大なスクリーンに相応しい大作から思いがけないB級、上映劇場が希少となりつつあるセガール映画まで上映してくれたミラノ座。
特に大作を観るときに嬉しかったのは、座席のゆったり具合である。ブロック最前列ならずとも悠々と脚を伸ばせる余裕のあるインターバル。シネコンに多い詰まり気味の座席とは大違い。よく上映前に「前の座席を蹴らないように」ってアナウンスが出るけど、これだったら体勢を変えたときにうっかり蹴飛ばす心配もないでしょう! もともと脚の長さもないけど。また、舞台挨拶用なのかスクリーン前にもだいぶ余裕があるので、かなり前方で観ても首が痛くならない。
それに、これだけ劇場が広いと、シネコンとちがって場内で誰かがコンビニ飯かスナックをガサガサやってても気にならないんだよなぁ。

↓最大でこの規模だもんな(ミラノ1)。
一番小さいミラノ3でもゆったりしてるんだよ。

そんなミラノ座が最後に実施してくれた『新宿ミラノ座より愛をこめて ~LAST SHOW~』。かつてこの劇場で大ヒットした映画ラインナップのリバイバル上映である。
観たい作品は数あれど、時間に限りがあるため、実際観られたのは『男たちの挽歌』『マトリックス』の2本だけ。
それでも、兄貴を助けに二丁マシンガンで戻ってくるチョウ・ユンファ、キアヌ・リーブスのブレット・タイム、そしてエージェント・スミスには感動させられっぱなしだった。特にキアヌのブレット・タイムでは、このシーンに熱くなる人たちが多かったせいか、客席の空気が変わったように思えたよ。そして上映後には(『マトリックス』では上映前にカーテンが開いたときから)惜しみない拍手が送られた。

ちなみに、上映前には支配人さんからご挨拶と作品解説があった。『マトリックス』については、「試写会を行った当時、若手社員はハマったが年配社員は首をかしげ、当たらないと踏んでいた。現実の大ヒットを受け、若手は内心ガッツポーズをした」との裏話が。また「キアヌ・リーブスの高速弾避けは、当時多くの人が真似しました」とのエピソードも。確かにいたなぁ。学校でマトリックスごっこやろうとした結果、腰を押さえて「痛てててて……」ってなってる奴らが。……いや、私じゃありませんよ。私はエージェント・スミスの口調を真似しようとしてた(そして挫折した)だけです。

ちなみに『マトリックス リローデッド』はエージェント・スミスが増える映画です。
『マトリックス レボリューションズ』はエージェント・スミスがもっと増える映画です。

今回はのびのびと映画を観られる劇場がなくなってしまうだけじゃなく、映画バカたる私の造物主となった劇場がなくなってしまったのだな。
ミラノ座さん、長年お世話になりました。どこまでもありがとう。




2014年12月24日水曜日

マイ最強ミックスVol.1

あなたの最強ミックスVol.1は?

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』において重要アイテムとなった、スターロード所有の「最強ミックスVol.1」。それに触発されてサントラを購入するのみならず、もしも自分だったら最強ミックスにどの曲をセレクトするか……と考えた人、居ますよね? むしろ居てほしいなぁ!!
自分ですか? もちろん作りましたとも!!! ちゃんとカセットテープで!!! そもそも自分、何でもベストをつくりたがったり他人にマイベスト聞かせて玉砕してるロブ・ゴードン気質の人ですし!!!(『ハイ・フィデリティ』参照)

↓コレな。


……と、いざ作ってみて改めて気づくのは、マイベストは作り手の過去(多くは中学~高校時代)を如実に反映するということ。自分の場合、'90年代後半~'00年代の映画の影響が思いっきりあらわれている。特に『ジャッキー・ブラウン』のサントラ収録曲の割合が一番多くなってしまった。
ちなみに、持っている曲すべての中からベストを作るのは至難の業なので、「昔、実際にカセットテープにダビングして聴いていた曲」に絞って選んだものである。

1.BOBBY WOMACK/Across 110th Street

いきなり『ジャッキー・ブラウン』のタイトルバックにしてサントラの1曲目に。そもそも『ジャッキー・ブラウン』は私にタランティーノを教えた映画であり、『フィフス・エレメント』→『MIB』→『フェイス/オ
フ』という流れで映画沼にハマるダメ押しの一本であり、初めて買った映画サントラでもあった。だからこのサントラに対する思い入れは一際大きいのですよ。

2.JAMIROQUAI/Canned Heat

中学時代の英語の授業でやったスピーチ。みんなが将来の夢や家族や友達について語る中、テーマにジャミロクワイを選んでしまった私は「しまったー……そういうマジメなやつか……」と思いつつ、今さら変更もできないしそのまま挑んだ。案の定クラスから一斉にキョトン顔が返ってきた(なお、微妙なスピーチテーマを選びクラスからキョトン顔をもらう癖は10年経っても治らなかった)。スベったと思いながら席に戻ると、後ろに座っていた女子Iさんが話しかけてきた。「ジャミロクワイ知ってるんだ?」彼女は中学校において希少な洋楽ロック友達となった。思わぬ怪我の功名だった。
そして後に、この曲が『ナポレオン・ダイナマイト』の名場面で使われたとき、感慨深さはいっそう強くなったのだった。

3.RAGE AGAINST THE MACHINE/Bombtrack

レイジを教えてくれたのは『マトリックス』のサントラだった。そして初めて聴いたレイジのアルバムから "Fuck you I won't do what you tell me" (Killing In The Name)という反逆メッセージを学習した。でもそこにたどり着くまえに、この1曲目にぶっ飛ばされたのだった。

4.BROTHERS JOHNSON/Strawberry Letter #23

再び『ジャッキー・ブラウン』のサントラより。サミュエル・L・ジャクソンがクリス・タッカーを言いくるめて車のトランクに入らせ、その後あっさり射殺するシーン。トランクに人を詰め込んで車走らせるときにはこの曲だな! とか思っていたけど、そんな状況ないしその前に免許取ってないし。

5.ALANIS MORISSETTE/Uninvited

『シティ・オブ・エンジェル』サントラより。ニコラス・ケイジが天使という映画設定もなかなかエキセントリックだが(でも死ぬ間際に見るのがニコさんでも大いに有りですよ私は)、優しいようで不穏なアラニスの曲もエキセントリックだった。のちに聴いた『Jagged Little Pill』はもっとトンでた。

6.LINKIN PARK/Pushing Me Away

先述した初めての洋楽ロック友達Iさんとは、互いにおすすめのアルバムを貸し借りしたことがある。N SYNCやWestlifeを聴かせてもらったけど、一番好みにハマったのはリンキンの『Hybrid Theory』だった。私からIさんには『Rage Against The Machine』を勧めが、もうご自宅にあったようで……自分出遅れたなぁ。ちなみに、2006年のサマーソニックで、この曲をピアノバージョンでチェスターが歌い上げたのも良い思い出。

7.THE ROLLING STONES/Time Is On My Side

人生で初めて聴いたストーンズが「Paint It Black」でも「(I Can't Get No)Satisfaction」でもなくコレになったのは、デンゼル・ワシントン主演の『悪魔を憐れむ歌』があったから。ストーンズへの取っ掛かりができたことには意義があるとは思うが映画自体は以下略。

8.BJORK/Hyperballad

ビョークに出会ったのは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だが、ビョークの歌声一発で問答無用で泣けるんだから(しかもサントラにはトム・ヨークの声までついてくる)、あの映画は私の中では一大反則映画である。その後改めて『POST』で映画の偏見なくビョークの歌声を聴いたが、問答無用で泣けた。以来、ビョークの称号は「歌姫」を遥かに通り越した「女神」である。

9.GOO GOO DOLLS/Iris

これも『シティ・オブ・エンジェル』サントラより。「世界には僕を見てほしくない/理解してるとは思えないから」という曲に惚れ込んだのに、数年前から世界規模に自己を発信しているからインターネットって恐ろしい。

10.THE DELFONICS/Didn't I (Blow Your Mind This Time)

再び『ジャッキー・ブラウン』のサントラから。ジャッキーと共犯関係にありわずかに恋心もあるマックスが、ジャッキーに勧められたテープを買ってずっとカーステレオで聴いているのがこの曲。大人になったらデルフォニックスのテープをかけながら車を走らせようと思っていたのだが、現在免許は以下略。

11.APOCALYPTICA/Hope Vol.2

初の出会いは『ヴィドック』のエンディング。アンプにつないでたせいか、背後で鳴ってるリフがチェロの音だとは最初気づかなかった。のちにメタリカのカヴァーもやってるチェロメタルバンドだと知り、CDやライヴDVDも買い集めたけど、いまだライヴで本物を観れていないのが残念で仕方ない。

12.MARILYN MANSON/Rock Is Dead

『マトリックス』で出会い、マトリックス本編以上の衝撃を与えられ、この最強ミックスの中で最も人生に多大な影響を与えた曲。初めてMVを観たときには「何じゃこいつはーーーー!!!!!????」とのけぞったというのに、まさかロック界において人生の師匠となろうとは。ちなみに、映画界の人生の師匠は『ロッキー・ホラー・ショー』のフランク。つまり、我が人生の師匠はいずれも網タイツとガーター着用の野郎なのである。

13.RANDY CRAWFORD/Street Life

『ジャッキー・ブラウン』サントラから4曲目。いざ一世一代の賭けに出るジャッキーが颯爽と歩くシーンで使われる。この曲でカッコよく歩ける大人になれたらいいなぁと思いつつ現実は以下略。

14.LYNYRD SKYNYRD/Sweet Home Alabama

『コン・エアー』の挿入曲にしてエンドクレジット曲。ニコラス・ケイジ目当てで借りた本作だが、ジョン・キューザック、ジョン・マルコヴィッチ、スティーヴ・ブシェーミ、ヴィング・レイムス、コルム・ミーニーそして忘れちゃいけないダニー・トレホと、のちの映画人生でお世話になるクセメン大全となったのだった。


ところで、『ガーディアンズ…』の各音楽が流れるシーンで、自分だったらどの曲を使ってみたいだろうか。例えば、ノーウェアに向かうときには「Time Is On My Side」(時間はオレの味方さ)なんて余裕で構えるのもいいなぁと思うし、決戦に向かうときにはやっぱりマンソンでモチベーション高めたいし、「オレとお前のダンスバトル」ではジャミロクワイで踊りたい。ガモーラに聴かせるなら……グー・グー・ドールズかデルフォニックスか迷う。看守に「それはオレの曲だ!!」って言いたいのは…………どうしよう。どれもオレの曲主張したい。

ここまで書いちゃうと、思い入れと自分史の入りまくった他の誰かのマイ最強ミックスVol.1を知りたくなるなぁ。

2014年9月8日月曜日

新橋文化劇場閉館に寄せて2

追憶の高架下61(何が61かは考えていない)。

良い話も、アレな話も、いろいろ思い入れがありすぎて1記事に収まらなかった新橋文化劇場の思い出の数々。

超能力少女と片脚マシンガールと生脚ガールズと。

実録殺人とリアル殺意(ハネムーン・キラーズ)

2,3列後ろのおっさんが轟音の屁をかますというテロ事件が発生。実話ベースの殺人事件の映画を観ながら現実にも殺意が芽生えるという前代未聞の事態に。


これはお化けか? JRか?(ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館)

薄暗い幽霊屋敷を歩くダニエル・ラドクリフ。時折背後に怪しい影も見える中、明らかに風のしわざではないガタガタという音が! これはポルターガイストが来たぞ! ……と思ったら、頭上を通過する電車の音だった。前述の屁テロ殺意事件といい、ある意味では4DX体験のできる映画館だったなぁ。

消耗品は木曜洋画劇場の香り(エクスペンダブルズ2)

新橋文化で観る『エクスペンダブルズ2』は、吹替でもないのになぜか今は亡き木曜洋画劇場の匂いがした。そしてこのとき、「チャック・ノリスの登場時にたまたま電車が通ったのではない。チャック・ノリスが自らの登場に合わせて電車を呼び寄せたのだ」という新たなチャック・ノリス・ファクトが……

新橋文化とセガールの相性の良さは異常。(沈黙の戦艦&暴走特急)

戦艦や列車をジャックしたはいいが、たまたまそこに最強のコックが居合わせてしまったばかりに悲惨な目に遭うテロリストグループの悲劇を描く、セガールのケイシー・ライバック無双もの。アクションの見せ場はありつつ「あー犯人かわいそー」と気楽に構えていられる両作は、実に新橋文化向きだった。

最強のオヤジと最強の拳二本立て。

新橋文化とエド・ウッドの相性の良さも異常。(プラン9・フロム・アウタースペース&怪物の花嫁)

史上最低の映画監督の作品を観ながらこんなにも充足感を得られたのは史上初です。エド映画のベラ・ルゴシにこんなにも「ありがとう」と言いたくなる感じも史上初です。

『怪物の花嫁』は、『ローズマリーの赤ちゃん』とともにクリスマスイヴに観たという……

グラインドハウス in グラインドハウス(グラインドハウスU.S.A.)

グラインドハウス好きがグラインドハウス風に偽予告編も込みで作ったグラインドハウス映画をジャパニーズグラインドハウスで上映。それだけで最高じゃないか。「The End」の爆笑も忘れられないよ。

「お前らサイコーだぜ! 楽しかったよ!」(カート・ラッセルの声で)

高架下で見つけた、人類の希望と絶望。(コンタクト&トゥモロー・ワールド)

科学と宗教という相容れなかった分野が思いがけず宇宙を通して交わる『コンタクト』。銃撃をピタリと止ませる赤ん坊の泣き声の神聖さと、それでも再び始まる銃撃戦の無慈悲さの『トゥモロー・ワールド』。いや、新橋文化さんのツイートに載ってた、小学生が描いたような「イモマンガ」につられて観に行った甲斐があった!

サヴィーニ先生すみません。(ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版)

バイカー役で出演していたサヴィーニ先生が映った瞬間、私と同じ並びに座っていた男性2名とが同時に「ふふふふふ」と笑ってしまった。『プラネット・テラー』のときもサヴィーニ先生が映った途端クスクス笑いが起きてたし、そういう扱いなんだろうか……?

ポスター「肉をくれ! もっと若い肉を!」
世間一般「チョコをくれ! 義理でもいいからチョコを!」
そう、これを『プラン9』と二本立てで観た日は……

ううらみぃぃぃぃぃぶぅぅぅしぃぃぃぃぃぃ(キル・ビルVol.1)

初めて劇場で観たときには、唐突に日本語の歌だったからか違和感を覚えたエンディングの「恨み節」。新橋で観たら、なぜか違和感が初見時の5%にまで低下しました。

最後のひととき(デス・プルーフ in グラインドハウス&タクシードライバー)

いつも劇場を爆笑の渦に巻き込む「The End」のみならず、そのしばらく前のある時点から場内爆笑続きだった『デス・プルーフ』。退廃的なニューヨークの歓楽街と新橋高架下の空気とが思いがけず交わってしまった『タクシードライバー』。幸せにして切ない終幕のときだった。そして終演後、劇場の外で看板を撮影する観客たちをかき分けるように通っていったタクシー、運転してるのがトラヴィスじゃないかと思ってしまったよ。

実は新橋文化さんがラスト上映を決めあぐねていたころ、密かに「『デス・プルーフ』とかダメかなぁ」と思っていた人。まさか本当に上映してくれるなんて……本当に本当にありがとう新橋文化さん!!

2014年9月4日木曜日

新橋文化劇場閉館に寄せて

グラインドハウス体験をありがとう。

2014.8.31. 新橋文化劇場、閉館。



ある人にとっては懐かしいと映るだろう(私の母はこちら寄り)。うるさいし落ち着かないしあまり居心地よくない、という人もいるだろう。私の目には、この劇場はとても斬新に映った。

JRの高架下という、通常ならまず考えられない立地条件。

ロビーなんてものは存在しない。入ったら直でスクリーン。

たとえ上映から1時間近く経過していようと入ってもいい、終わりまであと1時間以上残っていようと出て行ってもいいという、入れ替えなしのフリーダムさ。

トイレは……と探してみれば、まさかのスクリーン両脇。上映中に誰かがトイレに立てば、必然的に映画の隣から蛍光灯の光がだだ漏れる(特にメンズ側)。

ひざ掛けの貸し出しはやっているのでこれ幸いと頼んでみれば、相手がメタルT着用であろうとゴス風であろうと、果てはあまりシャキッとしてなさげなおじさんであろうと、容赦なく手渡されるピンクのリラックマブランケット。

さらに容赦のないことに、たとえ緊迫のシーンであろうとキメのシーンであろうと、頭上を通過していくJRの車両の音。

おまけに客席も、居眠り率が高く、ビニール音とコンビニ飯臭は常習的に存在。ヒドければ前方から脂臭が漂ってきたり、イビキが聞こえたり、屁テロ事件さえ発生した。

そんな劇場なのに、あんなにも居心地が良かったのはなぜなんだろう。

↓スクリーンの左右に注目していただきたい。
お分かりいただけただろうか……?

映画オタクが常に映画を全身全霊で、敬意をもって観ているかといえば、決してそんなことはない。ものすごく地雷臭いんだけどあえてスクリーンで……と思って劇場で観賞したものの、途中から「自分が監督だったらああしてこうして……」と脳内編集を始めてしまうこともある。
一方、地上波放映の洋画劇場をダラダラながら観するつもりが、スナックをバクバクしながらつい最後までマジメに観てしまうこともある。マジメにならなくても何となく最後まで観てることもある。

新橋文化劇場はそういう体験ができる劇場だった。一般のシネコンやキレイな劇場とはちがった、どこかダラけた空気だからこそ引き出せる映画の魅力があの高架下にあった。そういう魅力を引き出せる上映作品チョイスも優れていた。
タランティーノ映画で初めて知った「グラインドハウス」とは、こんな感じに近いのではないだろうか。二本立て上映も入れ替えなし出入り自由もリアルタイムで経験したことのない人間なので、いわゆるグラインドハウスに関しては、タランティーノや町山智浩さんの話から想像することしかできない。
だから明言はできないけど、新橋文化はそうした話に聞くグラインドハウスに限りなく近い空気を体験できる劇場だったのかもしれない。あの居心地の良さには、映画オタクとしての憧れ空間に近づけた満足感も含まれていたのだろうな。

↓過去に上映してた作品。観たかったよ。
特に『悪魔のいけにえ2』、密かにリクエストしてただけに……

こうした映画のラインナップは、新文芸坐あたりが継承してくれると思う。というより、新文芸坐は新橋文化と並んで濃ゆい二本立てやオールナイト企画を実践してくれる名画座だ。今は亡きシアターN渋谷のスピリットだって、ヒューマントラストシネマ渋谷が受け継いでくれた。
ただ、高架下という環境と、決して汚くはないが適度に清潔すぎないあの空気は、おそらくもう再現できまい。自分にとってのグラインドハウスは、きっと失われたままだ。それに、あの見世物小屋のハイレベルな呼び込みさんのような、センスあるツイートの数々をもう見ることができないのも寂しい限り。基本、金持ち頼みなこと言うのは気に入らないんだけど、今回ばかりは言ってしまいたい。

あーあ、高架下のスペースを買い取って、映画館をつくって、ピカピカにしない程度に整備して、フィルム取り寄せて、新橋文化のTwitter担当さんを雇ってオープンしてくれるオタクな資産家が出てこないかなぁ!!!

ありがとう、新橋文化劇場。って言葉でも足りないぐらいありがとう、新橋文化劇場。
そして足を踏み入れるチャンスがなくてすみません、新橋ロマン劇場。


ホントにそうだよね、新橋文化劇場。

2014年3月2日日曜日

未体験ゾーンの映画たち2014に寄せて

スクリーン上の出会いに意義がある。

未体験ゾーンの映画たち2014
ヒューマントラストシネマ渋谷 2014.01.18.~2014.03.07.


何はともあれ、まず、こうした作品の数々との出会いを作ってくれた、この企画に感謝します。ありがとうございます。

それにしても、映画を劇場公開するというのは、かくも難しいことか。ベネディクト・カンバーバッチ、マシュー・マコノヒーといった今人気の俳優や、ポール・ヴァーホーヴェン、ヴィンチェンゾ・ナタリといった通受けする監督の名前をもってしても、作品がDVDスルーの危機に追いやられるとは。

確かに、ここで上映されている映画は、小粒の良作かボンクラ系の、いわばミニシアター系である。うまくいけばロングランになるかもしれないが、『アメリ』や『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の成功が予測不能だったように、何が当たりになるか分からない。俳優や監督のネームバリューすら成功の当てにならないだろう。ましてや、これまでそうした作品を上映してきたミニシアターが、次々閉館しているご時世である。簡単に公開しますというのも、映画館にとって厳しいだろう。

そんなご時世だからこそ、なおさらこの企画はありがたい。
私個人の感覚だが、DVDでレンタル/購入した映画や、専門チャンネルから録画した映画は、どれほど気になっている一本であろうと、観賞を先伸ばしにしがちになる。下手をするとそのまましばらく存在を忘れている。良作だろうとボンクラだろうと、せっかくの作品が未体験のままに終わってしまう可能性があるのだ

劇場公開には期限がある。その分、終わる前に観に行く意欲が沸く。ついでに、上映作品がボンクラ系であるなら、同じスクリーンにいる観客の皆さんが、勝手ながら友だちに思えてくる。
作品の体験だけじゃなく、作品を上映する空間も体験させてくれる。そんなゾーンが今後も継続してくれること、増えてくれることを、心より祈っています。

ちなみに……

未体験ゾーンの映画たち2014極私的ベスト

1位 ポール・ヴァーホーヴェン トリック
悪人と言い切れない程度にヤな奴だらけの、まさかのヴァーホーヴェン流ホームコメディ。

2位 チェインド
殺人鬼と、殺人鬼に飼い育てられた少年との、あまりにも奇妙な疑似親子関係。ジェニファー・リンチは間違いなくお父さん(デヴィッド・リンチ)の変態性を受け継いでいる。ただしお父さんの『ツイン・ピークス』や『イレイサーヘッド』ほど浮世離れしてはいないから、地に足のついた変態ね。

3位 アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー
タイトルそのままど直球。でもコーマン先生は「セクシーなチアリーダーが巨大化」と聞いてお客が観たがるものを掌握してらっしゃるので、出オチには終わりません。

4位 MUD
5位 ザ・ドア 交差する世界
6位 ミスティック・アイズ
7位 テーター・シティ 爆・殺・都・市
8位 スキンウォーカー・プロジェクト
9位 ハウンター
10位 アダム・チャップリン

最後に、唯一未体験ゾーンを飛び出し、バウスシアター(残念ながら今年5月末に閉館……)で公開が決定した『MUD』に、おめでとうを言わせてください。上位3作を占めた私の好みはボンクラと変態ですが、最も普遍的に優れた作品はこれだと思います。

映画本編だけでなく、スタッフさんの作品レコメンドにも秀作の数々が見受けられました。
こちら↓は『最強ゾンビ・ハンター』のレコメンド。

こちら↓は『フィンランド式残酷ショッピング・ツアー』の。
「食人は文化だ」……

2013年11月4日月曜日

もしもこの作品で爆音絶叫上映をやってみたら

もしも『悪魔のいけにえ2』で爆音絶叫上映をやってみたら。

10月5日の『パシフィック・リム』絶叫ナイトin池袋の感動×6月2日の『悪魔のいけにえ2』爆音上映の楽しさ×もっとガヤスクリーンの面白さを味わいたいという欲求(ガヤスクリーンに対する思いのたけ記事参照)=この惨状。

つまり、=前の項目から生まれたしょうもないTwitter妄想劇を、この際なのでまとめてしまった&書き足してしまったのがこのブログ記事。今さらバカ記事の1つや2つ増えたってどうってことないさ!! という開き直りが原動力です。

なお、言うまでもないことかもしれませんが、本文は個人的見解、想像、偏見、思い込みだらけで構成されています。ご了承ください。

参加スタイル

コスプレ参加歓迎。人皮マスクやレプリカチェーンソー、針金ハンガー持ち込み(ハンガーはくれぐれもケガに注意)。
1作目『悪魔のいけにえ』キャラやリメイク版のコスプレもあり。
悪魔のいけにえTシャツ、Choptop's BBQTシャツもあり。
ジェイソンやフレディなどほかのホラーアイコンのコスプレもいて、レザーフェイスコスプレさんとの即興バトルが繰り広げられる。

 

オープニングタイトル

タイトルおよびキャスト名、そして監督名に歓声第一波。実は一番歓声が大きいのが、「特殊メイク:トム・サヴィーニ」。

本編


  • 各主要キャラクターの登場に歓声が上がるのは定石。
  • 第一犠牲者のバカコンビに暖かい罵声の嵐。
  • 鋭い人はラジオ局のポスターやレコードさえ指摘する。
  • ナビンズ(ヒッチハイカーのミイラ)だ!!! いやババちゃんだーーー!!!! そして殺戮シーンにはもちろん拍手喝采。
  • デニス・ホッパーだぁぁぁぁぁ!!!!
  • 現場検証のシーンで、背後を通る水色の家に誰かがツッコミ入れる。
  • ドレイトン兄いのチリコンテスト優勝に「おめでとう!!!」の声。同時に「人肉じゃん!!!」 とのツッコミも。コショウの固い殻ネタで笑いがとれる。
  • 運転中通話のドレイトンに「事故るぞ!!!」「前を見ろーー!!」と注意喚起。
  • ホッパー叔父貴の豪快試し切りに爆笑。
  • チョップトップきたーーー!!!!!!
  • "Maybe uh……new music!!" → ブィィィィン!! →うわぁぁぁ!!!
  • ババちゃんお兄ちゃんのカツラ削っちゃダメ!!!
  • 戻ってきたLGに「やめろーー!!!」「入っちゃダメだー!!!」
  • ババちゃんの初恋とチェーンソー下ネタに冷やかしの声。
  • ホッパー叔父貴、チェーンソー構えて殴り込み!! ……と思ったらドアをぶった切らず普通に入場する姿に「手で開けるんかい!!!」とツッコミ。
  • ババちゃんのプロポーズに、「うわぁ……」とドン引きする観客と、「うわぁ(笑)」と喜ぶ観客あり。
  • ババちゃんのストレッチぐるぐるダンスに謎のハンドクラップ。
  • LGの男気に最後の喝采となぜか感動の涙。
  • 仲良し兄弟漫才を温かいツッコミで迎える。
  • 兄ちゃん後ろ、後ろーー!!(ストレッチが通過していくシーンで)
  • レフティとフランクリン哀しみの再会にやはり謎の涙が。
  • 通路を彩る人骨アートの職人技も誉めてあげましょう。
  • 彼女(仮)が家族にバレちゃったババちゃん、またも冷やかされる。
  • "Bubba's gotta girlfriend!" "Burn her like a rat!" は手拍子しながらみんなでやる。
  • 一番の決め台詞はもちろんみんなで、"Saw is family!!"
  • 食卓タイム。観客も一緒に歌ってグランパを迎える。
  • ババちゃんのキスはさすがに切ないので、観客の冷やかしも少し減る。
  • ドレイトンに叱られても、ホッパー叔父貴と一緒に「収穫の歌」を歌っちゃってOK。
  • チェーンソーチャンバラには歓声が上がるが、「ババちゃん頑張れ!」の声のほうが大きい。チャンバラ以降の展開には、拍手じゃなくて悲哀の声が満ちる。
  • グレート・グランマには敬意をもって拍手を送りましょう。
  • ラストはストレッチ姉さんと一緒に雄叫びをあげて爽快感を取り戻す。
  • そしてエンドクレジット後のチェーンソー音にもうひと盛り上がりして終わる。

終演後

写真撮影などを介して交流タイム。シアターが閉まるまで、再びコスプレさん同士がバトルやチェイスを繰り広げてくれれば面白い。

その他・各キャラクターに対して


レフティ:
最初は歓声で迎えられるが、しだいに爆笑で迎えられ、中盤以降は「ヒドイよ!」「何やってんの!」「お前のせいで……!」と暖かいブーイングが増える。最終的には「遅いわ!」と怒られる。

ストレッチ:
ホットパンツになると観客のテンションが上がる。

レザーフェイス:
終始可愛い可愛い言われ続け冷やかされる。

チョップトップ:
"Music is my life!" "Lick my plate you dog dick!" など、観客のモノマネ率が高い。

ドレイトン:
最優秀チリへの祝福はもちろんのことだが、零細企業の苦労話に「そうだそうだ!!」「不公平だ!!」と共感の声が。

グランパ:
応援するのは間違ってると思いつつ、ハンマータイムに「頑張れ!!」の嵐。

ナビンズ(ヒッチハイカーのミイラ):
密かな人気を誇る。

LG:
意外に「可愛い!」という声が上がる。ポテトハウスが妙に好評。反面、ツバ吐き癖を注意される。しかし最後にはその男気に拍手の嵐。


そんな可能性も妄想してみると楽しくなりますが、実践の難しさを思うと、当面は自宅で一人ツッコミ大会ということに……さすがに一人絶叫大会じゃ近隣から苦情がくるしな。

2013年3月11日月曜日

勝手にエクスペンダブルズ2

もしもロバート・ロドリゲスがエクスペンダブルズを作ったら。

実は、思いつきの「ガイ・リッチー版エクスペンダブルズ」を書いたとき、ついでにもう1つ頭に浮かんできてしまったのがこのバージョン。
エクスペンダブルズというよりは、ただのロドリゲス祭りになってしまったが。あと、男祭りなのに女も結構いるけど、ロドリゲス界ではそのほうが活き活きするので……
なお、今回ストーリーはちょっとドン詰まったので割愛しました。何せどの方向でいっても『デスペラード』か『レジェンド・オブ・メキシコ』か『マチェーテ』と同じ流れになってしまったもので。誰か何か面白いネタがあったら教えていただきたいところです。

勝手にキャスティング


アントニオ・バンデラス
エクスペンダブルズのリーダー。普段の姿はバーのマリアッチ。ギターケースにたくさんの銃器を仕込んで……と思ったら、ギターそのものがマシンガンにカスタマイズされている。もちろん自前の大型二丁拳銃も携帯している。
(『デスペラード』『レジェンド・オブ・メキシコ』のマリアッチからシリアスを抜いてしまったような男)

フレディ・ロドリゲス
普段はバーの清掃係。身軽なうえ、モップでもグラスでもフォークでも、そこいらにあるもの何でも武器にできる。バンデラスにとっては頼れる右腕だが、若手で女性人気票が集まりつつあるという点で危機感を覚えさせる奴でもある。

スティーヴ・ブシェミ
何でお前がエクスペンダブルズにいる? と誰もがツッコミ入れたくなる、戦闘能力ほぼ皆無のもやしっ子。普段はバーの経理係であり、エクスペンダブルズの経理と武器調達人でもある。特技はお喋りと逃げ足の速さ。おかげでいつもうまいこと生き残れる。

ミシェル・ロドリゲス
エクスペンダブルズの紅一点(ということにしてください)。バーの調理担当兼ウェイトレス。フロアのトラブルは彼女がすべて力技込みで抑えこんでいる。ショットガンやマシンガンなど大型武器を扱うほか、ボクシングの腕も。
(外見は『マチェーテ』のタコス屋台の姉さんぐらいの可愛らしさで)

カルロス・ガラルド
バンデラスと一緒にマリアッチをやっている。バンデラスと同じく二丁拳銃と、こちらはギターケースのフタ部分にに閃光弾や催涙弾や電流ショック弾など変則型手りゅう弾を搭載。「元祖ギターケース武器庫はオレ」が口癖。
(そもそもマリアッチ三部作の一作目『エル・マリアッチ』の主人公はこの人でしたから)

ダニー・トレホ
大型から小型までナイフなら何でも扱える。普段はバーのドア前用心棒。金目当てに悪党側に寝返った……と思ったら、それは策略のうちで最初から最後まで味方であり、そのことを知っているのはバンデラスだけだった……という展開が観たい。
(マシェッティ、マチェーテ、ククイ、クッチーロと、ロドリゲスには刃物の名前をよくもらうトレホさん。このパターンを踏襲するとしたら、自分はもうフランス語の『クトゥー』かドイツ語の『メッサー』しか思いつきません)

チーチ・マリン
バーテンダー。エクスペンダブルズを日頃従業員として雇っていたり、店にたむろさせていたりする。もちろんカウンターの下には二丁ショットガン。高アルコールの酒と布とライターで火炎攻撃も。

サルマ・ハエック
エクスペンダブルズが集うバーの実質的オーナー。バンデラスの元カノらしい。元カレがギターケースなら、こちらは本の中にナイフや小型銃やときに手りゅう弾を隠し持っている。エクスペンダブルズへの仕事はたいてい彼女を通して依頼される。

ダリル・サバラ
バーで清掃係というか雑用係で働く青年。昔バンデラスに助けられたことがあり、それ以来彼に懐くかたちでエクスペンダブルズに居座る。バンデラスのギターマシンガンを作ったほか、皆さんにお役立ちガジェットを制作・提供してくれる。

ローズ・マッゴーワン
エクスペンダブルズの助っ人。一見ミニスカートの似合う美脚CIAエージェント。しかし実は右脚が偽足でしかもガトリングガン仕様になっている、伝説の女戦士。
(『プラネット・テラー』のチェリーの別バージョンみたいな)

シルヴェスター・スタローン
テキサスの最強麻薬捜査官……だがその実態は1組織と手を組んで麻薬利益を我がものにする悪徳警官。権力という意味でも筋力という意味でも、その剛腕に逆らえる者はいない。

ブルース・ウィリス
巨大麻薬カルテルのボス。邪魔な他組織をスタローンに一掃してもらい、見返りに売上を献上する間柄。組織が拡大していく過程で何度も死にそうな目に遭っているが、なかなか死なずにここまで生きているので、不死身との噂も。
(真性エクスペンダブルズのお二方に敵として登場してもらえたらと思って。一応それぞれロドリゲス映画に悪役として出演経験があるわけだし。もちろんスタローンはキッズ相手の1人6役などではなくガチの肉弾戦!! 彼らにガチで挑むのは大変危険なので、エクスペンダブルズはチーム戦でいくことをオススメします)

エレクトラ&エリース・アヴェラン
ロドリゲス映画おなじみの美女双子。カルテルに雇われている、抜群のチームプレーを誇る殺し屋。

クエンティン・タランティーノ
カメオ出演1。バーの常連客。序盤あたりにブシェミとくだらないダベリを続けていて(このくだりがムダに長い)、バーテンにそろそろ閉店だと追い出される。

ジョニー・デップ
カメオ出演2。麻薬カルテルの一員のチンピラだが、もうやってられないとばかりにCIAに情報を流したところ、察知したボスの仕向けにより双子美人殺し屋に消される。


さて、そろそろ脱線はおいといて、注文した本家『エクスペンダブルズ2』プレミアム・エディションでも拝みたいところです。

2013年2月12日火曜日

極私的ボンドガールベスト

華より毒気(華プラス毒気なら尚よろし)。

ヴィランついでに結局ボンドガールもベスト10をつくってしまったわけですが……総選挙で得票率の高かった正統美女(『ロシアより愛をこめて』のタチアナ、『サンダーボール作戦』のドミノ、『カジノ・ロワイヤル』のヴェスパーなど)や、せっかくのボンドガール日本代表(『007は2度死ぬ』のキッシー鈴木とアキ)が入らないという結果になってしまった。
それというのも、ボンドガールの好みの傾向に「強い」「毒(または劇薬)」があるからで……。

1位 ゼニア・オナトップ(ファムケ・ヤンセン)『007/ゴールデンアイ
"Then you are on a top"(次は君が上になって)をもじった名前といい、研究所員を撃ちまくりながらエクスタシーの溜め息を漏らす殺人愛好癖ぶりといい、必殺太ももチョークスリーパーといい、エロさもキャラクターの濃さもずば抜けている。
私が基本的に毒のあるボンドガールしか受け付けなくなってしまったのは、初見にして一番インパクトの強いボンドガールがこのお方だったせいです。

2位 メイ・デイ(グレイス・ジョーンズ)『007/美しき獲物たち』
角刈りに派手コスチュームに怪力。ボンド「ガール」とはいうものの、その魅力は性別・年齢を超越している。わずかなカットながら、「全身これ凶器」というオーラが漂うTバック姿は畏怖もの。退場際は歴代ボンドガールきっての勇姿だった。

3位 エレクトラ・キング(ソフィー・マルソー)『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』
守られる側だし、頼りにならないし、マイペースなお嬢様……と、当初こそ好みじゃないお飾り形ボンドガールだったが、それ以降どんどん自分好みの方向に。ある意味オナトップの別バージョンかもしれない。「締め付け好き」だし。

4位 ジンクス/ジアシンタ・ジョンソン(ハル・ベリー)『007/ダイ・アナザー・デイ』
断崖絶壁から華麗なる逃走とか、レーザー光線でピンチとか、中ボスとの剣術バトルとか、危機的状況でも減らず口とか、いつもならボンドが持っていく美味しいポイントの大半をこの人が持って行ったため、最後の登板だったピアボン(ピアース・ブロスナンのボンドの意)が霞んでました。

5位 パメラ・ブーヴィエ(キャリー・ローウェル)『007/消されたライセンス』
ドレスになろうと、裾を取っ払って脚が見えようと、たくましさのほうが勝る。「君はここまででいいから」と厄介払いされても、しぶとくついて行っては一度も脚を引っ張ることなく役に立つ頼れる相棒。しいていうなら、終盤ほかのボンドガールと親密になりそうなダルボン(ティモシー・ダルトンのボンドの意)を見て、突然泣き出してしまうところが弱みだったが、好感度は落ちず。

6位 トレーシー/テレサ・ディ・ヴィンチェンゾ(ダイアナ・リグ)『女王陛下の007』
やたらに助けを求めることもなく、むしろ思いがけず助けられようともレゼボン(ジョージ・レーゼンビーのボンドの意)を突き放す。脅威のドライビングテクニックとスキーテクニック、ブロフェルドを口先であしらい、手下をコテンパンにするガッツと機転もあり。それまでのボンドにとっては新しいタイプの女性で、お付き合いの本気度も高かったのだろう。それだけに……。

7位 ナオミ(キャロライン・マンロー)『007/私を愛したスパイ』
ビキニにシースルーガウンで「秘書です」って登場は完璧なのだが……惜しい。せめてピアボンのころに登場していれば、過度なエロ系殺し屋としてもう少し活躍できただろうに。

8位 オクトパシー(モード・アダムス)『007/オクトパシー』
女サーカス団とみせかけた女怪盗団のボスということよりも、お父さんからつけられた「タコちゃん」的あだ名を堂々と受け入れた挙句、怪盗としての通り名にしていっそうカッコよくしてしまうセンスと度胸がスゴい。モード・アダムスは『黄金銃を持つ男』のアンドレアよりも断然こっちが素敵。彼女が率いる美女軍団もセクシーで強く、ラストの殴り込みシーンがある意味最骨頂の見せ場。

9位 M(ジュディ・デンチ)『007 スカイフォール
ダニボン(ダニエル・クレイグのボンドの意)とスコットランドに潜伏するシーンを見たら、再会したシルヴァと同じく「そんなに小さかったか?」と言いたくなった。要らんことしたり人選ミスったりロクなことしないオカン上司と思ってましたが、思えばそんな小さくて頼りない身体で諜報活動を取り仕切ってくれてるんですよね。

10位 ウェイ・リン(ミシェル・ヨー)『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』
長い脚で敵をバタバタ蹴倒す格闘シーンが圧巻。確証はないがきっとボンドと対戦したら勝つ。いっそ勢いでピアボンも蹴飛ばしてしまうとか、逆に敵に捕まっちゃったピアボンを彼女が助けるって展開にすればよかったのに。

番外

3代目マニーペニー(サマンサ・ボンド)『007/ゴールデンアイ』~『007/ダイ・アナザーデイ』
マニーペニーといえば、ボンドと同僚以上恋人未満なやり取りを楽しむ初代のロイス・マクスウェルが一番人気だが、個人的にはサマンサ・ボンドの辛らつでちょい冷たいマニーペニー(そしてそれでも折れないピアボン)が一番好み。ちなみに4代目マニーペニーの今後も楽しみにしている。

海から上がってきた瞬間のハニー・ライダー(ウルスラ・アンドレス)『007/ドクター・ノオ』
まだボンドガールが大々的に活躍する展開にはならない作品だが、やっぱり登場時のこの瞬間だけは別格のオーラが。あと、後のチャイナドレス姿よりは白ビキニのほうが断然カッコいい。彼女の登場スタイルは『ダイ・アナザー・デイ』でハル・ベリーも真似(オマージュか)したし、『カジノ・ロワイヤル』ではダニエル・クレイグも海パンでリゾートの海から……ってこっちは嬉しくないか。

機関銃婆ちゃん(?)『007/ゴールドフィンガー』
美女軍団を率いるプッシー・ガロアよりも、金色に塗られたジル・マスターソンよりも、なぜいるのか分からないこの婆ちゃんのほうがインパクト大だった。


中にはボンド「ガール」っていうかボンド「グラニー」じゃないかってのも混ざってますが、ご了承ください……。

極私的ボンドヴィランベスト

全員悪人(アウトレイジしてないけど)。

007映画誕生50周年だった2012年には、20世紀FOXや映画秘宝でボンドガール総選挙が行われたもの。それはそれで面白かったし、投票したケースもあった。

しかし、007映画を観たいと思う動機の比重がボンド<ボンドガール<<<ヴィランという自分にとって、ボンドガールはあるのにボンドヴィランの総選挙がないのはいかがなものか(米ロサンゼルス・タイムズでは『歴代悪役ベスト10』があったらしいが)と思い、勝手に作ってみた次第。投票者が一人しかいないので、結局総選挙じゃなくなってるが。


1位 マックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)『007/美しき獲物たち』
金髪版のガブリエル様(『ゴッド・アーミー』参照)。
生体実験でつくられた天才という設定も納得の端整な顔と冷徹さと浮世離れ感だが、笑顔は妙に可愛い。ぶっちゃけ引退間際のロジャボン(ロジャー・ムーアのボンドの意)よりもシャープでカッコよく、最強クラスボンドガールのメイ・デイと並んでも絵になる。頭脳派系ボスながら、椅子にふんぞり返ってばかりじゃなく、殺しの最前線にまで出てくるアウトドア系なのも観ていて楽しい。

2位 レナード(ロバート・カーライル)『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』
外では狂犬テロリスト、でも好きなあの人の前では子犬。
ロバート・カーライルの持ち味が両方楽しめる。最大の特徴「延髄に残った銃弾のせいで感覚がない」設定は、痛みを感じない怪物ではなく、愛する人を感じ取ることもできない哀しい男として活きている。ということは、最後のバトルでのピアボン(ピアース・ブロスナンのボンドの意)の一言は、痛みを感じないはずの彼に一番の激痛をもたらしたに違いない。それはヒドいよボンドさん(悪いのはレナードですが)。

3位 ジョーズ(リチャード・キール)『007/私を愛したスパイ』『007/ムーンレイカー』
自慢の鋼鉄歯でいろいろありえないものを食いちぎり、サメにも勝てる100%力技勝負。
そのくせ彼女ができたら速攻彼女第一主義になる単純さも好感高。でかい図体ながら、登場まで狭いところに隠れて待っていることが多いので、実は結構マジメで忍耐強いと思われる。

4位 ラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)『007 スカイフォール
世界一濃ゆくて哀しいマザコン。
「我々は生き残った2匹のネズミ」って言ったけど、正確にはカピバラ系(おもに横顔が)。それにしても、たった1人への復讐というすんごく個人的な動機に、よく仲間がついてきてくれたもんだ。やっぱりアレですか、バルデムさんのモテパワーですか。

5位 ダリオ(ベニチオ・デル・トロ)『007/消されたライセンス』
ボスのサンチェスよりも手下のこちらで。粘着質な笑顔でボンドガールのキャリー・ローウェルをドン引きさせ、ダルボン(ティモシー・ダルトンのボンドの意)に本当にケガさせてしまった、のちのオスカー俳優デル・トロ伝説の始まり。

6位 アレック・トレヴェルヤン(ショーン・ビーン)『007/ゴールデンアイ
悪事のスケールはデカいが手始めにやることは銀行強盗と変わりないとピアボンにツッコミを入れられ、ボスなのに殺し屋クラスのゼニア・オナトップに存在感で負け、退場も卑怯でイヤな奴クラスのボリス(アラン・カミング)にインパクト負けしてたから。
つまるところ、ショーン・ビーンだから。

7位 ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)『007/カジノ・ロワイヤル』
顔(の骨格)。
悪役スケールは小さいが、顔の骨格は良い。あの骨格に目の傷と血の涙は似合う。話題の拷問シーンも、ダニボン(ダニエル・クレイグのボンドの意)の腹筋ボコボコ体格より、切羽詰まって汗だくなル・シッフルの顔面骨格が良い。
つまるところ、マッツ・ミケルセンだから。

8位 オッドジョブ(ハロルド坂田)『007/ゴールドフィンガー』
体力勝負系殺し屋ながら、ベースはニコニコしたおっさんというギャップがチャームポイント。終盤、金庫内に閉じ込められたのに焦りも悪あがきもせず、真っ直ぐコネボン(ショーン・コネリーのボンドの意)との一騎打ちに向かう姿が、純然たる戦士。

9位 フランシスコ・スカラマンガ(クリストファー・リー)『黄金銃を持つ男』
「うわー、本物のボンドだ!!」「会っちゃったー! ボンドに会っちゃったー!!」「ボンド君見て見て! うちの設備スゴいでしょ!!」と、憧れのスターを前にした嬉しさ全開オーラが、黄金銃を持つ凄腕の殺し屋という設定を超えました。ちなみに、クリストファー・リーだけに、就寝体勢はドラキュラ。

10位 エルンスト・スタブロ・ブロフェルド(ドナルド・プレザンス)『007は二度死ぬ』
以前のシリーズから顔を見せないスペクター首領として登場。初顔見せがプレザンス。その後のシリーズではテリー・サバラスとチャールズ・グレイが演じているが、傷のある顔とスキンヘッドと割に背が低いところが妙に愛嬌のあるプレザンス推しで。膝上の白猫ちゃんも居心地よさそうだし。

番外

チャン(トシロー・スガ)『007/ムーンレイカー』
名前はチャンだが日本の着物や作務衣を着用。おかっぱ頭とヒゲが基本スタイル。竹刀と剣道防具が戦闘装備。グランドピアノに突っ込んで退場。徹頭徹尾清々しいほど意味不明だった。

エミール・L・ロック(マイケル・ゴタード)『007/ユア・アイズ・オンリー』
際立った癖や特色があるわけでもなく、ボンドや身内の暗殺を請け負い、証拠隠滅と敵の殲滅を兼ねてアジトを爆破する、普通に非道な殺し屋キャラ(『普通に非道』って基準も変だが)。しかし、とにかくマイケル・ゴタードという役者の顔がやたらめったら印象に残る。そういう意味では退場が惜しかった。

カマル・カーン(ルイ・ジュールダン)『007/オクトパシー』
「フランス訛りがいい」という表現はたいていボンドガールに使われる褒め言葉ですが、あえて私はこのおっちゃんに使いますよ。

一応このブログ、「映画選びの参考にご利用いただければ幸い」ってトップに書いてあるんですが、この記事はもっとも参考にならない映画選び基準かもしれない……。

2012年12月17日月曜日

シアターN渋谷閉館に寄せて

求む、映画小屋の後継者。

2012年12月2日。シアターN渋谷、閉館。



7年間の歴史のうち、私がシアターNにお世話になった期間は本当に短い。
それでも、閉館は残念で仕方ないし、心底「本当にありがとう」と言いたくて仕方ない。

シアターNについて言及される際、しばしば目にする表現が「小屋」である。
場内はロビーの窓が大きくて明るいし、スクリーンもトイレも清潔で、一見「小屋」という単語のイメージからは遠い。しいていうなら、トイレの個室がなぜか若干ななめということ、また客層の男性比率が若干多いせいか、しばしばスクリーン内に独特の空気(中にいると腕毛が濃くなりそうな気がする薄ら汗臭いやつ。ピエール瀧さんが言うところの『男ミスト』)が漂っていることが、「小屋臭」のするゆえんだろうか。

ただ、シアターNを一番小屋たらしめるものというと、やはりそれは上映ラインナップだ。ホラーはもちろん、ロック映画(多くがレイトショー上映で観に行けなかったのが無念)、リバイバル上映、表現のキツさから上映が危ぶまれていた社会派……デカい稼ぎ口ではないが、映画オタク層には見たくてたまらない人々が確実にいたであろう作品の数々。
上映中作品がこんなにみっちりコアな映画館、そうそう見当たるもんじゃない。残念ながら。

コレとか↓
最後までこんな感じ↓


そうなると気になるのが、都内でどこの劇場がこの「小屋スピリット」を継ぐのかということ。
ミニシアターは存在するが、興行収入やフィルム→デジタルへの媒体移行に伴って、徐々に数と規模を減らしつつある。『アメリ』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、小粒作品のロングラン上映を生み出してきたシネマライズが、規模を縮小してしまったのも記憶に新しい。

とはいえ、シアターNは普通のミニシアターではない。名画座ともちょっと違う。普通の劇場なら上映禁止ものの問題作や、ホラーとロックというファン層がコアなジャンルをピックアップする、男気と「痒いところに手が届く」感がある。
ホラーに関しては、ときにボンクラすぎてフォローしきれないものにも出くわすが、もうそれすら「しょうがねぇなぁ」で済んでしまう気の抜けた空気がある。それと同じとまでは言わなくとも、近いスピリットの映画館……と思って考えると、やっぱりなかなか思い当たらない。

自分の狭い行動範囲でいうと、『最強のふたり』のような小粒良作を発掘しつつ、『アイアン・スカイ』『ゾンビ革命』のようなボンクラ魂炸裂映画にも手が届く新宿武蔵野館(たぶん、12月22日会館予定の武蔵野館系列ミニシアター、シネマカリテも)が、近いといえば近いのだろうか。ただし、ホラーとロック色は薄いし、そんなにこっぴどいボンクラもあまり見かけないので、まだ優等生の部類のように思える。
そういうジャンル専門の映画館をつくるのが難しいのなら、せめてそれ専門のスクリーンぐらい設けておいてくれないだろうか。特にシネコンさん、2週間の興行収入という短期間高収入ばかり見てないで、小規模スクリーンの1つでも譲っていただきたいものですよ。

ちなみに、私のシアターNのトップクラスの思い出は、どうしても最近の話になってしまうのだが、『モンスター・トーナメント』&『カジノ・ゾンビ』、『インブレッド』&『血の祝祭日』(ハーシェル・ゴードン・ルイス映画祭)で4分の1日ほどをシアターNにて血みどろネタで過ごしたことである……。
こんな面白割引も少ないもの。迷彩服割引ぐらいは実践すべきだったかも……。

2012年12月4日火曜日

「ガヤスクリーン」に関する思いのたけ

ガヤガヤしてもいいじゃない(たまには)。

「上映中はお静かに」は、いつでも映画館の常識とは限らない。
例えば、世界のあちこちでやってる『ロッキー・ホラー・ショー』は、有志の素人役者がスクリーン前でキャラクターになりきったり、コスプレの観客が映画のセリフを真似したりツッコミを入れたりするのが当たり前。ここ日本でも、川崎ハロウィンで毎年のようにパフォーマンスやりたい放題上映会をやっている。

わざわざコスプレしたり演技したりしなくとも、海外の劇場の場合、観客が歓声を上げたり、悪役にブーイングしたり、スクリーンに向かって「サイコー!!!」「何やってんだよバカ!!」などツッコミを入れることがある。そのへんの様相は、『マチェーテ』のDVD/Blu-ray収録の「観客の歓声入りモード」でだいたい分かる。ド派手なアクションがあれば「うぉぉぉ!!!」裸のおねえさんが出てくれば「ひょーーー!!!」って、どシンプルなノリですが。

そういえば、最近はインド映画『ボス その男シヴァージ』でも、歌ったり踊ったり騒いだり食べたりしていい「マサラ上映会」が一部で実施されていた。インドでは上映中に踊るってのもアリなんですね。
あと、『エクスペンダブルズ2』の「バドワイザー立ち飲み試写会」でもワイワイ盛り上がったようで(特にチャック・ノリスの登場に)。その場にいなかったので明言はできないが、立ち飲みみたいな雰囲気だと、気兼ねなくどよめいたりできるような気が。

個人的には、こういうノリには大いに興味がある。というか、大いにやってみたい。
劇場で映画を観て感じられる「ほかの観客との一体感」が、コメディで笑い、感動ポイントで泣けてくるってだけじゃ物足りないときもある。それこそ『アベンジャーズ』や『エクスペンダブルズ』みたいなお祭り映画は、みんなで騒ぎながら観てみると面白いだろう。ヒーローの活躍に歓声上げたり、悪役ひいきなら悪役に喝采送ってみたり。
何だったらホラー映画でも、ツッコミを入れつつ観賞してみると、恐怖を楽しむだけでなく、怖さの背後にあるおかしさやお約束事に気がつくかもしれない。

そこでですね、全国のシネコンさん。あれだけスクリーンがあるなら、上映中観客がにぎやかにしていてもいい「ガヤ専用スクリーン」を設置してくれないでしょうか。ネーミングは、マキシマム・ザ・ホルモンのライヴ企画「マスター・オブ・テリトリー」のガヤエリアから何となく拝借しただけなので、新しく考えていただいて結構ですから。
ガヤスクリーンではもちろん、騒いで観賞するのが当たり前。先に挙げたように、お気に入りキャラの登場やキメのシーンで歓声あげるも良し。どう見ても次の展開へのフラグとしか思えない行動やセリフに大声でツッコミ入れるもよし。セリフをほとんど覚えるほど愛してやまない作品の上映で、延々一人芝居繰り広げるも良し。
まぁ、「つまんねーよ!!」とか、ファンにとって不快なことを叫ぶ輩がいるかもしれない……という危険性もはらんでいるのですが。わざわざそれなりの料金を払って嫌がらせにくるっていうのも、なんだか哀しいなぁ。
ガヤスクリーンでもう1つやってほしいのが、昔の作品のリバイバル上映。上映権がなかったら、ブルーレイかDVD上映でもお願いしたい。名目は「名作映画の温故知新」だけど、はっきり言っちゃえば面白そうな光景が拝めそうだから
『燃えよドラゴン』でみんな奇声を発するとか。
『ロッキー』終盤でみんな一斉に「エイドリアーーーン!!!」って吠えるとか。
ハロウィン(1978年版)』で「ローリー! 後ろ、後ろぉぉぉぉ!!」って叫ぶとか。
『マチェーテ』の上映会だったら、観客にチープな紙製マチェーテ(上映後は団扇にどうぞ)なんか配布してほしいですね。で、決起のシーンとか、トレホの親爺さんのキメポーズシーンで、観客も一緒にペラペラマチェーテを掲げるとかね。
 もちろん、リバイバル上映の鉄板は『ロッキー・ホラー・ショー』!! そして願わくば『ファントム・オブ・パラダイス』との2本立て上映で!!……結局それが一番言いたかったんだけどね。

2012年11月24日土曜日

勝手にエクスペンダブルズ1

もしもガイ・リッチーがエクスペンダブルズを作ったら。

アベンジャーズ』のときもありましたよね。「日本だったらこのヒーローでアベンジャーズ作る!!」みたいなノリが。
この記事の場合、そのノリ以上に軽い……というか、Twitter上でのちょっとしたやりとりから、「もし○○監督がエクスペンダブルズを作ったら?」ネタで自分が勝手に妄想を膨らませてしまって、しかもそれがそこそこ具体化してきちゃったから、ここらで吐き出しておこうぜと。なお、このネタについてはTwitterで何度かつぶやきましたが、あれから再考していくつか変更してます。
とりあえず、生ぬるーーーく読み流していただければ幸いです。

勝手にストーリー

主人公は、ロンドン裏社会のチンピラを取り締まったり面倒見たりしつつ、ボス格に気を使う中間管理職的小悪党。面倒臭い役回りながら、仲間もいることだしなんとか上手くやってきた。
しかし、あるときボスに頼まれた仕事のさなか、警察が乗り込んできて、危うく自分も仲間も逮捕されかける。トカゲの尻尾切り式に捨て駒扱いされたことにぶち切れた主人公は、仲間を引き連れてボスへの反逆を決行。一方、彼らの動きを察したボスも、屈強なチームを引き連れて迎え撃つ。
裏社会で生き残るには力も大事だが、決め手はやっぱり悪運だ!

勝手にキャスティング

ジェイソン・ステイサム:
主人公の中間管理職にしてエクスペンダブルズ(仮)のリーダー格。ツキにいまいち恵まれず、何だかんだ面倒臭い仕事を嫌々引き受けては、冷めた顔して文句たらたら。しかし、文句を言いつつ暴力要員どもを単身フルボッコにできるくらい腕っぷしは強い。
(本家エクスペンダブルズではスタローンに指示出される側なので、心もちノリノリで仲間に指示出してたり、右腕フレミングを従えてのし歩いてると面白い)

ジェイソン・フレミング:
主人公の右腕的存在にして腐れ縁の親友。大立ち回りは基本的にステイサムに丸投げする手抜き癖があるが、本人も結構近接戦に強い。密かに赤毛がコンプレックスで、ジンジャーレッド呼ばわりされると凶暴さ5割増しに。指摘しても問題ないのは付き合い長いステイサムぐらい。
(『X-Men』のアザゼルや『タイタンの戦い』のアクリシウス王など意外と剣術で戦うキャラクターもやってるもので。赤毛コンプレックスはフレミングの過去話から)

ヴィニー・ジョーンズ:
チームの切り込み隊長。バトルとなったら猪突猛進な頑強男。普段は気の利いたスラングやユーモア豊富なお喋り。ステイサムやフレミングとつるんでることも多い。仕事でコンビを組んでいるのが調子のいいトビー・ケベルなので、よくどうでもいい話で揉めている。
(ジャガーノートな活躍も見たいが、『ロック・ストック……』組のダベりも見たい)

トム・ハーディー:
力持ち要員。昔世話になったことがあるので、リーダーたるステイサムに忠実。パワーファイターだがもともとの性格はおとなしい。仕事ではイドリス・エルバがおもな相方。
(『ダークナイト・ライジング』のベインばりの増量でお願いしたい)

イドリス・エルバ:
チームの頭脳派その1。偵察や射撃援護担当でもある(でもあくまでチンピラ集団の一員なので、プロのスナイパーというわけではない)。いつも冷静で、チーム内で揉め事が起きたときにはよく仲裁役になる。そのせいかストレスが蓄積ぎみ。おとなしめのトムと一緒だとストレスが少ないらしい。

トビー・ケベル:
チームの頭脳派その2。筋肉質ながらわりと細身で屈強には見えないが、とっさの知恵が回るのが強み。ただ、お調子者なところもあるので、しなくてもいい挑発をしてしまったり、チーム内でケンカの火種になったりするので、よくイドリスから怒られる。
(『ロックンローラ』のジョニーのキャラクターを踏襲)

マーク・ストロング:
相談役。取引や売買をやってくれる渉外役でもある。裏社会経験はステイサムより少し先輩。普段は表立ってアクションをやるほうではないが、フェンシング技に強く、ヤバくなったらその場にあるステッキ状のもので応戦してくれる。
(『シャーロック・ホームズ』『スターダスト』など剣術キャラが多いので)

アラン・フォード:
エクスペンダブルズ(仮)がいつもたむろしているバーのオーナー。飄々としていながら、実は昔その道で拷問や死体処理など怖い仕事をしていたらしい。

ロバート・ダウニー・Jr.:
顔見せ程度だが、エクスペンダブルズ側の助っ人キャラ。財力と頭脳と腕力でロンドンの不動産裏業界を牛耳る男。マーク・ストロングとはやや折り合いが悪い(『シャーロック・ホームズ』参照)。

ジェラルド・バトラー:
現在、ロンドン裏社会をおもに牛耳っているボス。それまで裏社会トップクラスにいたボス連中を旧体制として蹴落としてきた。今でも、使えないやつや気に入らないやつは容赦なく蹴落とすスパルタ男。
(当初は助っ人キャラに想定していたけど、ステイサムとタイマン張るならレオニダス王かなと)

タンディ・ニュートン:
ボス直属の殺し屋。唯一の主要女性キャラクターだが、『ロックンローラ』同様男性陣との関係性は常にサラリとしている。
(フレミングかイドリスかトビーとのタイマン勝負が欲しい)

ラデ・シェルベッジア:
ボスの参謀長兼戦力の束ね役。彼が率いるロシア人戦闘員たちは、そこそこダメージを受けてもすぐ復活してきて、なぜかなかなか死なない(ガイ・リッチー映画のお約束)。

ブラッド・ピット:
カメオ出演1。登場5分もしないうちにステイサムにぶっとばされるチンピラその1ぐらい。

ベニチオ・デル・トロ:
カメオ出演2。ヘマして殺し屋タンディにあっさり銃殺される、ボスにこっそり加担してた議員。

デニス・ファリーナ:
カメオ出演3。ジェラルドに追い落とされた以前のボスその1。

トム・ウィルキンソン:
カメオ出演4。ジェラルドに追い落とされた以前のボスその2。


もし、「私なら○○中心にこういうエクスペンダブルズ作る!!」「オレだったら○○監督のエクスペンダブルズ観たい!!」というネタで一緒に盛り上がれる友人がいたら、もうエクスペンダブルズボンクラ同盟を結成してもいいと思うんですよ。